運動への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 14:40 UTC 版)
エマ・カーティス・ホプキンスに学んだマインド・キュア運動の活動家たちは、クリスチャン・サイエンスがどのように効果を発揮するのかについて考察を深め、超絶主義者の著作、特にラルフ・ウォルド・エマーソンの著作に答えを見つけた。ユニテリアンの家庭出身のエマーソンは、スウェデンボルグの思想を高く評価していた。彼の超絶主義は、人間は万物の中に神性を見い出す力を持ち、個人の内に神的存在が内在する神秘的な存在であると考え、内なる神性と一体化することの重要性を説くものである。心が健康に及ぼす影響を示したメスメルの仕事と、エマーソンの霊的・精神的な教えが、マインド・キュアにおいて合体した。エマーソンの超絶主義哲学を取り入れて、メンタル・ヒーリングの霊的な根拠を示すことで、運動が深化し、19世紀のニューイングランドでは、様々な組織や個人がメンタル・ヒーリングを行い、方法を教え・学び合うマインド・キュア運動が盛り上がった。 ウィリアム・ジェームズは『宗教的経験の諸相』(1902年)で、この「新しい思想(ニューソート)」には様々な宗派があり、それぞれ呼び名があるが、便宜的にこの運動を「マインド・キュア運動」と呼び、単純化して話すと前置きして解説を行った。ジェームズは、アメリカ的で典型的な「健全な心の宗教」「心を治す宗教」であるマインド・キュアがシンクレティシズムであることを指摘し、その教義の源として、キリスト教の4つの福音書、エマーソンの思想をはじめとするニューイングランドの超絶主義哲学、ジョージ・バークリーの理想主義的哲学(主観的理想主義(英語版))、「法則」「進歩」「発展」のメッセージを掲げる心霊主義、大衆の楽観的科学進化論があり、ヒンドゥー教が影響を与えていると分析している。ヒンドゥー教では特にヴェーダーンタが重要だった。また、19世紀後半のヘーゲル協会や、宗教の世俗化(衰退)も関連している。
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