通産省職員逮捕へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 04:09 UTC 版)
撚糸工連常務理事は、元課長の横領が明るみに出たため、通産省立地公害局工業再配置課課長らへの飲食代支払いの事実が発覚するのをおそれ、同課長を饗応していた六本木の飲食店経営者に売掛帳などの帳簿改ざんを指示し、証拠隠滅をはかった。しかし特捜部は不明金の一部が通産省元課長や中小企業庁指導部組織課組合兼調整係長への飲食代の支払いや接待に使われていた事実をつきとめ、1986年3月26日、特捜部は贈収賄容疑で通産省元課長、中小企業庁元係長、撚糸工連常務理事らを逮捕。撚糸工連理事長、前専務理事も贈賄容疑で再々逮捕した。通産省元課長はいわゆるキャリア官僚で初代省エネルギー対策室長、同課長として省エネルギー政策に携わっていた経験があった。工業再配置課は立地公害局ナンバー2のポストともいわれ、将来の局長候補と目されていた。中小企業庁元係長は高校卒業後通産省に入省し、中小企業庁に転じたノンキャリア官僚だった。 通産省元課長は撚糸工連を監督する生活産業局原料紡績課長補佐時代在職中、 資金繰りに苦慮していた同工連に「中小企業振興事業団」の高度化資金融資を受けるよう助言 中小企業庁に根回しをし「設備共同廃棄事業」の計画作りの際同庁から同工連に指導をさせるようにした 「仮より機」を設備共同廃棄事業の対象に含めるよう通産省規則をはじめとする諸規定の改正に努めた などの便宜をはかった見返りとして、1982年7月から1985年8月までの間、75回にわたり合計約350万円(時効が3年のため逮捕事実は265万円相当。裁判では244万円相当が認定)相当の飲食代を同工連に支払わせていた。 中小企業庁元係長は1983年4月から1985年5月までの間、以下の見返りとして22回にわたり計104万円相当の接待を受けていた。 1982年度、1983年度の共同廃棄事業案作成に関して指導助言 設備買上げ価格を従来の残存簿価をもとに算定する方式から改造簿価方式に変更したことに関与
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