通用亭徳成とは? わかりやすく解説

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通用亭徳成

読み方つうようてい とくなり

通称善野善右衛門。醉竹側判者安政2年(1855)88才の時『都賀の山』を著す。

通用亭徳成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/20 03:27 UTC 版)

通用亭 徳成(つうようてい とくなり、明和5年(1768年)- 安政3年11月24日1856年12月21日[1])とは江戸時代狂歌師戯作者。本姓は善野氏、名は雅長。本業は下野国栃木の商家で、釜屋喜兵衛(4代目)を号した[2][3]

来歴

下野国都賀郡栃木下町(現・栃木県栃木市室町)で商家を営み、同屋号の別家と区別するため「釜喜」と称された[注釈 1]。釜屋善野氏はもともと近江国守山の出身で、18世紀中ごろまでに栃木に移住したものと考えられており、徳成はその4代目にあたる[注釈 2][6]。栃木では有数の商家として知られ、本業は質屋だったが、その他に醤油問屋などを営んだ[7]。また喜連川藩御用達商人でもあったことが確認できる[8]

狂歌は唐衣橘洲に学び、後に酔竹側の判者を務めるようになる[3][9]。末子もまた通環亭真袖と号する狂歌師だった[10]安政2年(1855年)3月、栃木の料亭「柳園」で徳成の米寿を盛大に祝う狂歌会が開催され、下野の河野守弘・上野の柳直成をはじめ、全国から900名ほどの狂歌師が参集した。翌年には記念狂歌本『都賀のやままつ』を刊行したが[注釈 3]、同年11月に89歳で没した。葬地は菩提寺近龍寺、法名は興禅院感誉浄翁居士[11][12][9]

浮世絵師喜多川歌麿を支援したことで知られるほか、渡辺崋山大西椿年市河米庵高久靄厓・小山霞外といった書画の名人と交流があった[13][3]。戯作者としては、天保8年(1837年)に合巻『敵鰹差身之業物』(歌川芳虎芳升芳宗画)を著している[3][9]

脚注

注釈

  1. ^ 釜屋には他に中町の「釜伊」(釜屋伊兵衛)、上町の「釜佐」(釜屋佐次兵衛)があった[4]
  2. ^ ただし、初代喜左衛門は後に分家して新たに佐次兵衛家を立て、喜兵衛家の主としては守山の三野家から養子を迎えている[5]
  3. ^ 撰者は徳成本人の他、子の通環亭真袖、浅桑園安良の三人。画工は山形素真[10][3]

出典

  1. ^ 渡辺 1991, p. 26.
  2. ^ 渡辺 1991, p. 102.
  3. ^ a b c d e 『国書人名辞典』, § 通用亭徳成.
  4. ^ 渡辺 1991, p. 24.
  5. ^ 渡辺 1991, pp. 36–27.
  6. ^ 渡辺 1991, pp. 24–25.
  7. ^ 渡辺 1991, p. 53.
  8. ^ 渡辺 1991, pp. 39–41.
  9. ^ a b c 『日本人名大辞典』, § 通用亭徳成.
  10. ^ a b 渡辺 1991, p. 29.
  11. ^ 渡辺 1991, pp. 26–30.
  12. ^ 渡辺 1991, pp. 112–114.
  13. ^ 渡辺 1991, p. 55.

参考文献


通用亭徳成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/23 00:09 UTC 版)

だましゑ歌麿」の記事における「通用亭徳成」の解説

栃木小間物扱っている釜屋という店の跡継ぎ狂歌たしなんでおり、江戸へ商いに来る度に、歌麿関わる連に顔を出している。本も数冊出している。歌麿より11歳年下で、身内同然存在

※この「通用亭徳成」の解説は、「だましゑ歌麿」の解説の一部です。
「通用亭徳成」を含む「だましゑ歌麿」の記事については、「だましゑ歌麿」の概要を参照ください。

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