軟骨伝導を応用した機器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/26 07:19 UTC 版)
軟骨伝導の特徴に着目して、以下のような応用製品の開発、検討が行われている。 1)補聴器:外耳道閉鎖症など外耳の障害で、耳の穴に挿入して使用する気導補聴器を利用できない人々のために、リオン社によって「軟骨伝導補聴器」が開発され、2017年11月発売されている。軟骨伝導補聴器は、耳の穴より外側にある軟骨部分に振動を加えて使用するため、外耳に障害があっても使用可能である。聴覚は言葉の発達にとって重要な役割を果たすため、外耳に障害をもつ子供たちへの福音となることが期待されている。 2)携帯電話:軟骨伝導の利点を生かした携帯電話が、ローム社で試作された。この携帯電話は、騒音下においても会話音が聞きやすいだけでなく、電話をあてる強さを加減するだけでボリュームの調整が可能である。また、振動が軟骨を通して外耳道内に気導音を生成するため、自分には聞こえるが周囲に音が漏れない。その他、液晶面を顔や耳に接触させずに使用できることから液晶画面が汚れない、補聴器を装用したまま使用することができるなどの優れた特徴がある。 3)イヤホン:耳の穴を塞がない形状であるため、外界の音を聞きながら軟骨伝導で音を聴けるという特徴があり、イヤホンで音を聞きながら同時に外界の危険を察知することが可能である。また、軟骨伝導携帯電話と同様に周囲に音が漏れないなどの特徴がある。このイヤホンはローム社で試作された。 4)ロボット:ロボットと1対1のコミュニケーションをとるシステムに軟骨伝導の導入が検討されている。ロボットからの音声情報を伝える手段として現在はスピーカーが用いられているが、軟骨伝導は、より明瞭に音声を伝える新しい手段となることが期待されている。
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