軍産複合体の意を受けた政府主犯説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 09:11 UTC 版)
「ケネディ大統領暗殺事件」の記事における「軍産複合体の意を受けた政府主犯説」の解説
「軍産複合体の意を受けた政府主犯説」は、「ケネディの南ベトナムからのアメリカ軍による軍事顧問団の縮小計画と、その後に予想された軍事顧問団の完全撤収が『軍産複合体の利益を損ねる』と恐れた政府の中の一部勢力(といっても大統領を暗殺という手段で交代させられる以上、事実上の影の政府機関ではないかと見る向きも多い)が、CIAなどの諜報機関の有力者に様々なお膳立てをさせた上で大統領の警備を弱体化して犯行に及んだ」とするものである。 しかし、「軍事顧問」という名目でのアメリカ軍の正規軍の派遣や、重火器の貸与を含む南ベトナムへの軍事支援(これはアイゼンハワー時代から始まっていた)を(追認という形ではあるにせよ)継続していたケネディが、本気でベトナムからの完全撤退を検討していたかを疑問視するものも多く、後の国務長官で歴史学者でもあり、軍産複合体とも懇意な関係だったヘンリー・キッシンジャーをはじめとした歴史学者からは「アメリカの支援が無ければ立ち行かないにもかかわらず、アメリカの意に反する行動を取り続けていたゴ・ディン・ディエム大統領率いる南ベトナム政府に対する脅しとして、このような撤退検討を発言したに過ぎない」という指摘がある。 だが、その見方に対する疑問として、当時、うまみのある軍事計画を次々と中断し、軍産複合体の利益に挑戦してきたケネディが撤退を口にした場合、それはディエムに対する脅しというよりも軍産複合体側に対するベトナムからの撤収勧告と受け止められる可能性は無視できない。 何よりも、仮に軍産複合体がこの事件の黒幕ならば、なぜ、多数の証拠や証言者が出てくるような慌しい形で暗殺を決行しなければならなかったのかという疑問があり、その答えとして、暗殺が無ければ衛星放送によるリアルタイムで海外向けにも発信される予定だったケネディの演説内容(後日公表されたものは特別補佐官が準備した原稿に過ぎず、過去の例から見てケネディのオリジナルな内容になっていたと思われる)に注目が集まっており、それが中央銀行制度の廃止、もしくはUFO問題に関する重大な事実といったような、既存の国際秩序を揺るがすような情報を開示しようとしたものだとまで囁かれる根拠ともなっている。
※この「軍産複合体の意を受けた政府主犯説」の解説は、「ケネディ大統領暗殺事件」の解説の一部です。
「軍産複合体の意を受けた政府主犯説」を含む「ケネディ大統領暗殺事件」の記事については、「ケネディ大統領暗殺事件」の概要を参照ください。
- 軍産複合体の意を受けた政府主犯説のページへのリンク