身土不二と地産地消
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/06 22:06 UTC 版)
国産農産物の有利販売や食糧自給率の向上につながると考えて、身土不二を掲げる農家・農業団体も多い。しかし近年は、食養会が提唱した趣旨とは若干距離がある「地産地消」のスローガンとしてこの言葉が使われることが多くなっている。 1990年代以前に身土不二を唱えた者は、地産地消に批判的だった[要出典]。 地産地消事業は、伝統食を改善しつつ、農家女性や高齢者の生き甲斐と所得を向上させる目的で1981年(昭和56年)に始まった。指導にあたった生活改良普及員は、以前から特産物の栽培を勧め、栄養値の高い味噌の作り方を指導したり、伝統文化の保全に尽力していたため、地産地消でも、伝統の良いところを残しつつ、塩分過剰やビタミンの不足などの欠点があれば改善する、というスタンスを取った。 一方、身土不二に従えば、伝統食は完璧だから手を加える必要がない。このため1980 - 90年代から身土不二を唱えていた論者は、「生活改良普及員が、伝統食を破壊して洋食を指導した結果、若者が早死にしている。」と非難した。この説は「逆さ仏」説などの名称で一部に浸透し、たとえば沖縄県はそのような傾向が顕著である。また、ビニールハウス栽培による(本来の季節では収穫出来ない)農作物の摂取について、これも有害なモノとして批判的な立場を取っている。 しかし、スローフード運動が高まった2000年代以降、新聞・雑誌のスローフード特集で、地産地消を「身土不二に基づく伝統」と紹介する例が急増し、両者の区別があいまいになっている。スローフードと地産地消はほぼ同一内容を意味するともされる。アメリカでもBuy Local運動があり、地産地消運動がある。
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