足柄峠笛まつりとは? わかりやすく解説

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足柄峠

(足柄峠笛まつり から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/27 16:48 UTC 版)

足柄峠
足柄峠からの富士山
所在地 静岡県駿東郡小山町神奈川県南足柄市
座標 北緯35度19分11秒 東経139度00分44秒 / 北緯35.31967度 東経139.01214度 / 35.31967; 139.01214座標: 北緯35度19分11秒 東経139度00分44秒 / 北緯35.31967度 東経139.01214度 / 35.31967; 139.01214
標高 759 m
山系 箱根外輪山
通過路 静岡県道・神奈川県道78号御殿場大井線
足柄峠 (関東地方)
プロジェクト 地形
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箱根火山における
足柄峠などの位置関係
足柄の関。この門は1985年の映画『』のセットとして作られ、後に移設されたもの。

足柄峠(あしがらとうげ)は、静岡県駿東郡小山町神奈川県南足柄市の間にある箱根外輪山から北に伸びた尾根上に位置し、箱根峠とともに東海道を構成する。標高 759m[1]

歴史

足柄峠は駿河国相模国の国境の峠である。峠では縄文時代奈良時代平安時代の土器片が採取されており、古くから交通の要衝であったと考えられている[1]。 かつてはここを足柄坂(あしがらさか)と呼び、ここより東を坂東と称して足柄峠はその入り口であった。この峠を越える道は律令時代東海道として整備され、足柄路矢倉沢往還)と呼ばれた。

富士山の延暦噴火(800年 - 802年)の際、降灰状況などの判断に基づき、足柄路の使用を1年間止め、代わりに箱根峠を通る街道(箱根路)を整備し使った(『日本後紀』より)[2][注釈 1]899年に関所が設けられた。

鎌倉時代以降、急勾配だが短距離の箱根路が足柄路よりも多く使われるようになった。

1336年(和暦では建武2年(1335年))には南北朝時代の幕開けとなる箱根・竹ノ下の戦いが行われ、足柄峠に陣取った足利尊氏の軍勢が新田義貞の分隊を指揮して西側から攻め寄せた脇屋義助を峠下の竹ノ下(現在の地名は竹之下)で破った。戦国時代には足柄城が築かれた。

江戸時代も東海道の主要街道は箱根路で、足柄路は脇街道として整備した。

1889年明治23年)には足柄峠の北側の酒匂川に沿って県境を越える東海道本線(現・御殿場線)が開通し、第二次世界大戦後にはこのルートに沿って現在の国道246号東名高速道路が整備されたため、静岡県北駿地方と神奈川県足柄地方を結ぶ交通路としての重要性も薄れた。

現在

景勝地として観光客が訪れる。峠の静岡県側は足柄城跡が公園として整備されており、富士山の景色を楽しむことができる。神奈川県側は足柄峠が万葉集に詠われたことから足柄万葉公園が整備され、相模湾江ノ島三浦半島まで眺めることができる[3]

峠付近には足柄山聖天堂(しょうでんどう)や、茶屋がある。黒澤明の映画『』で使われた門が関所として置かれているが、関所の位置や形状は不明である。


最寄りの集落で路線バス便のある地蔵堂地区(南足柄市矢倉沢)から足柄峠までの旧足柄道・約3km が「足柄古道」としてハイキングコースが整備されている[4]。 また、反対側の足柄駅から峠までの間も「足柄古道」としてハイキングコースとなっている[1]

地蔵堂地区や足柄峠からは矢倉岳・県立21世紀の森や金時山方面へのハイキングコースも整備されており、登山や散策に訪れる人も多い[5][6]

足柄峠笛まつり

足柄峠での秘曲を豊原時秋に伝えた源義光(新羅三郎)をしのんで、毎年9月の第二日曜日に南足柄市と小山町の共催による足柄峠笛まつりが開催される[7][1]。まつりでは笛などの楽器の演奏披露などが行なわれる。また、両市町の小学生による陣取り綱引きが行なわれ、勝った側は城跡の広場に「相模國南足柄領」「駿河國小山領」という看板を立てて領有することができる。なお、実際の行政界は変更されず、小山町に属する。2007年9月から1年間は「駿河國小山領」となっている。

通過する道路

アクセス

伊豆箱根鉄道大雄山線大雄山駅(関本)より矢倉沢を経由し地蔵堂まで、箱根登山バスの路線バスが概ね毎時1本運行する。また、4月~5月、10~11月の土休日には足柄万葉公園まで直通する便も運行されている[8]

2020年8月 - 12月の土日には、足柄駅から峠に向かう片道運行の無料ハイキングバスが運行された[9]

過去には駿河小山駅から足柄峠への直行バスが富士急行バスにより季節運行されていた。(2007年10月以降、運行されていない)

脚注

注釈

  1. ^ 足柄路再開以降は、箱根路は再び支道の扱いとされた。

出典

  1. ^ a b c d 歴史”. 小山町観光情報. 小山町. 2021年1月10日閲覧。
  2. ^ 安田政彦『災害復興の日本史』吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー〉、2013年2月1日、18頁。ISBN 978-4-642-05761-5全国書誌番号: 22196456 
  3. ^ 足柄万葉公園”. 南足柄市. 2021年1月10日閲覧。
  4. ^ 万葉コース,足柄峠コース”. 南足柄市. 2021年1月10日閲覧。
  5. ^ 矢倉岳コース”. 南足柄市. 2021年1月10日閲覧。
  6. ^ 足柄峠・金時山コース,金太郎コース”. 南足柄市. 2021年1月10日閲覧。
  7. ^ 足柄峠(足柄城址、新羅三郎義光吹笙之石)”. 南足柄市. 2021年1月10日閲覧。
  8. ^ 「関本」バス時刻表”. 箱根登山バス. 2021年1月10日閲覧。
  9. ^ 無料ハイキングバスのお知らせ”. 小山町観光協会. 2021年1月10日閲覧。

関連項目

外部リンク


足柄峠笛まつり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 06:25 UTC 版)

足柄峠」の記事における「足柄峠笛まつり」の解説

足柄峠で笙の秘曲豊原時秋伝えた源義光新羅三郎)をしのんで毎年9月第二日曜日南足柄市小山町共催による足柄峠笛まつりが開催される。まつりでは笛などの楽器演奏披露などが行なわれるまた、市町小学生による陣取り綱引きが行なわれ、勝った側は城跡広場に「相模國南足柄領」「駿河國小山領」という看板立てて領有することができる。なお、実際行政界は変更されず、小山町属する。2007年9月から1年間は「駿河國小山領」となっている。

※この「足柄峠笛まつり」の解説は、「足柄峠」の解説の一部です。
「足柄峠笛まつり」を含む「足柄峠」の記事については、「足柄峠」の概要を参照ください。

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