諸事情の理解に乏しい参加者の増加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 00:17 UTC 版)
「コミックマーケットが抱える問題」の記事における「諸事情の理解に乏しい参加者の増加」の解説
コミックマーケット特有の事情やルール・マナーをあまり理解しないまま来場する参加者が増加傾向である。企業や行政各局が催すイベントとは違い(カタログなどで)注意事項が周知徹底できないゆえに発生する問題である。 コミックマーケットでは全ての参加者は対等の立場であるとされる。このため一般参加者であってもルールとマナー、諸注意事項を理解して参加するなど事前の準備が必要であり、毎回発行されるカタログ上で呼びかけられる。しかしながらインターネット上のコミュニティが発達し、またコミックマーケット自体も社会的な認知度が高まるにつれ、雑誌やインターネット上の掲示板などの情報だけを頼りに来場する参加者が増えてきており、他の参加者やスタッフなどとの間で以下のようなトラブルにも発展するようになってきた。これらはイベントの運営進行と参加者の活動に悪影響を与える言動として注意が必要となる事項である。 夏コミの参加時に十分な必要な暑さの対策(帽子・日焼け止め・水分など)を準備せず来場し炎天下に数時間並んだ挙句、熱中症で倒れる。最悪の場合、死亡することもあり得る。冬コミでも同様に必要な寒さ対策をせずに来場した挙句、低体温症で動けなくなる(降雪時の対応も必要になる)。 自己の健康管理を徹底せねばならない(基本的に他の参加者やスタッフは自分の行動に関知しない)のにもかかわらず列を抜けると最後尾に並びなおさねばならないと思うあまりに、自身の体調の悪化を無視し体調を崩すなどの参加者が毎年見られる。またトイレは例年かなり混雑する。 長蛇の列や長期の待ち時間に戸惑い、客感覚でスタッフや企業・サークル参加者に「責任者を出せ」と不満を漏らす。待機が長時間になることは、同人誌即売会では極めて一般的である。また理念上「客」も「店員」もおらず共に対等な参加者だが、会場には(カタログ購入等の)受付なく自由に入場できるため同様のトラブルは後を絶たない。2010年夏に行われたC78の会場では「お帰りなさいませオタクさま・お帰り下さいませお客様」の標示も見られた。これらの問題は準備会にとって、当人だけでなく「コミケットはしんどいところなのだ」と準備会がうまくアピールできていないのも一因と示唆している(「コミックマーケット74アフターレポート」)。2008年頃からはカタログは早期に完売する傾向にあり、場合によっては注意事項を読む手段がなくなる場合もあることから、2008年夏のC74からは公式サイト上にも注意事項やマンガレポートを掲載するよう改めた。 C82では、開会中に出展サークルが許可無くピザのデリバリーを注文し、会場付近にまで届けられた事例があり、これに対してコミックマーケット準備会が止めるように注記したこともあった。 人混みで溢れるところ、また参加に夢中になって警戒心が緩む事を狙った財布や金品の窃盗が後を絶たない。C93では、スリ目的で来場した男性が窃盗を行い、警察に現行犯逮捕される事例も発生している。準備会も毎回カタログで窃盗に注意する旨を喚起している。
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