調査・考察など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 08:43 UTC 版)
同語に関しては依存症とはいっても精神医学分野で明確な研究は特に行われていない模様で、日本国内では主に俗語と認識されているが、一方で2007年2月14日付の「YONHAP NEWS(日本語版)」によれば韓国では2006年に行われたインターネット依存症調査にて、青少年の10人に1人が携帯電話の利用に自ら依存状態にあると回答しているという。同国情報通信部が全国3500人を対象としたアンケート調査によるものだが、成人で4.1%が「依存症だ」と答えたのに比べると、青少年層の依存率が高いという。 日本での中学生を対象としたアンケート調査によれば、「携帯電話がないと落ち着かない」「夜寝る時も気になって携帯電話の電源が切れない」といった質問に対する肯定的な回答は男子よりも女子のほうが高く、ジェンダーによるバイアスが存在することが考えられる。社会学者の鈴木謙介が独自に行った聞き取り調査によれば、男性ではリーダーシップを発揮するコミュニカティブなタイプの人にケータイ依存の傾向が見られるのに対し、女性では友人関係自体に依存しがちで決断力の無い人がケータイ依存になりやすいのだという。 社会学者の土井隆義によると、人間関係から隔離されることは周囲に不快感を与える存在としていじめの対象となる危険性を増大させるものであり、携帯電話が圏外になるとパニックになる人がいるという現象は、いじめの場がリアルな空間からバーチャルな空間に移行している事実を裏付けるものともいえるという。 日本において携帯電話は多機能化に伴い、単に他者と通話・メールなどを通じてネットワークを形成する手段としてだけでなく、利用者のニーズに合わせて高度にカスタマイズして使用されている。例えばクレジットカード・定期券のように(電子マネー)、カメラのように(カメラ機能)、テレビのように(ワンセグ機能)、携帯電話を利用することができる。そのため、紛失・故障といった何らかの原因によって携帯電話が使用できない状況とは、単純に(通話・メールなどを通じて)他者と接続することが不可能になるという「孤独」の問題だけではなく、携帯電話によって擬似的に獲得していた様々な能力を一時的に喪失してしまうという「苦痛」をも意味しているといえる。
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