設計思想に対する懸念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:33 UTC 版)
「浜岡原子力発電所」の記事における「設計思想に対する懸念」の解説
地震学者の茂木清夫も2004年、週刊誌に発表した記事で原子力発電所の耐震設計指針で規定された上下動の水平動に対する2分の1規定に次のような批判をしている。阪神・淡路大震災で石が飛んだという話を紹介し「石が飛ぶということは上下方向に約1000ガル以上(阪神大震災では818ガルを観測)の加速度があったことを意味し、2分の1どころか、水平方向の地震力にも匹敵する大きな振動もありうる」と想定し、1、2号機は耐えられない旨断定した。また、もんじゅやロケットの打ち上げ失敗を例に、技術立国と言う過信に依存する日本の大衆一般の思考そのものを批判している。 元東芝で原子力発電の格納容器の耐力研究をしていた後藤政志も格納容器の耐力には限界があり、2007年の新潟中越沖地震で柏崎刈羽原子力発電所に993Galの震動があったことを聞き、原子力は止めるべきだと思ったと語っている。 耐震裕度向上工事に対しても懸念は表明されている。 石橋は2005年、本発電所で1000Galへの補強工事が発表された際「どこまで丈夫にしたら大丈夫なのかということは、はっきしているわけではございません」と公述した。また原子炉へのリスク評価として「原発震災のリスクというものをきちんと評価して、その危険度の高いものから順に段階的に縮小する。必然的に古いものが縮小されることになると思います」 と未曾有の巨大地震を前提とした耐震性へのランク付けの必要性を求めている。 また、原子炉建屋や個別の建屋が地震に耐えたとしても、プラント全体として冷温停止するための諸機能が維持されるのかという問題が『原子炉時限爆弾』などで指摘されている。
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