設計思想と構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/07 21:18 UTC 版)
70系客車は、あくまで客車不足を補うための応急的対策と位置づけられ、最小限の資材で最大限の収容力を確保することを念頭において設計された。そのため、従来の客車に比べて次のような特徴を有していた(例外は少なからず存在する)。 側面扉は片側3か所(17m級客車の復旧車は2か所)に設置し、デッキは設けない。 窓は二段窓(通常の客車は一段窓)。 座席は木製のロングシートとし、吊り革・つかみ棒も設ける。 内装は極力簡素化。座席は布が張られておらず、照明は裸電球。 洗面所なし(便所はあり)。 暖房装置なし。 基本的に、長距離運行を前提とする従来の制式客車の設計思想ではなく、モハ63形など大都市圏を運行する通勤形電車の設計思想を取り入れて製造されたものといえる。 標準的な設計図面も作成されたが、破損の程度の少ない車両についてはこの図面に従わず、従来の車両の車体を修理改造して扉を増設しただけのものもあった。また通勤形電車を復旧改造したものは、原形とほとんど同じ形状のものもあった。そのため同じ形式でも、外観は車両により大きく異なっていた。
※この「設計思想と構造」の解説は、「国鉄70系客車」の解説の一部です。
「設計思想と構造」を含む「国鉄70系客車」の記事については、「国鉄70系客車」の概要を参照ください。
- 設計思想と構造のページへのリンク