言語や文化への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 02:40 UTC 版)
古代ギリシア神話では女神ヘーラーがヘーラクレースを引き離した際に溢れた乳が天の川(ミルキーウェイ)になったという。 聖書にもミルクを意図した言葉があり、カナンの地イスラエルを「乳と蜜が流れる地」と表現している。乳は蜜と並び「よきもの」の象徴である。コーランの「蜜蜂」には乳について述べた箇所があり、乳は家畜の中で飼料と血液の中間から生じ、人間に与えられる美味な飲み物だと言う (16-The Honeybee, 66)。伝統的に、ラマダーン明けには一杯のミルクと乾燥ナツメヤシの実を口にする。仏教では釈迦の説話に、断食修行後に口にした牛乳の美味が悟りを導いたとあり、牛乳から作られる醍醐を「仏の最上の経法」を指す用語に用いている。ヒンドゥー教で行われる灌頂では、崇拝する神の像を聖水やミルク又はヨーグルトなどで清める儀式が行われる。 人間の文化において乳 (milk) がいかに重要かという事は、数々の言語表現に使われることで説明できる。例えば、「the milk of human kindness」(人間的な思いやり)という用例がある。一方で、「他人を利用する」(to milk someone) という慣用句もある。 様々な意味のスラングでも用いられる。17世紀初頭には、精液や膣液の意味がつけられ、転じて自慰行為を指すようにもなった。19世紀には変性アルコールを水に混ぜて作られた安物の酒の名に使われた。他に、詐取する、騙す、他人に送られた電報を盗聴する、そして虚弱な者や腰抜けという意味もある。1930年代のオーストラリアでは、自動車の吸気ガスを指して使われもした。
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