観光列車・ジョイフルトレインの廃車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 01:34 UTC 版)
「廃車 (鉄道)」の記事における「観光列車・ジョイフルトレインの廃車」の解説
観光列車やジョイフルトレインは多くが旧型車の改造によって製造されており、改造の種車自体の車齢が高いものが多い。そういった車両に展望化やハイデッカー化などの工事を行っているため、老朽化も進みやすい傾向にある。またイベント列車専用の改造を実施した例も多く、他線区への転属も難しい。そのため、その列車が廃止されればそのまま廃車にされる場合も多い。 これらの車両が残存する場合には次のようなものがある。 団体専用車になる場合 イベントトレイン・ジョイフルトレインは元々団体用の車両の場合が多く、これが最も多いパターンである。ほぼ無改造で転用される場合がほとんどであるが、一部の客車列車などには欧風→和風の改造(逆もあり)など内装の変更が行われる場合もある。 このパターンではJR西日本のキハ65形「エーデル」・「シュプール&リゾート」改造車などがある。 別のジョイフルトレインに改造される場合 経年の浅い車両では再改造されて別のジョイフルトレインになる場合もある。JR九州のキハ183系1000番台がよい例で、「オランダ村特急」→「ゆふいんの森(II世)」→「シーボルト」→「ゆふDX(赤→黄)」→「あそぼーい!」と5回も変わっている。 このパターンの場合の改造は主に内装とカラーリングの変更を中心に行われる。 全く別の車両になる場合 非常にまれな話だが数例がある。例えばクロ212-1がクヤ212-1U@tech試験車に改造された例が挙げられる。 一般車に戻される場合 改造が塗装の変更など少しであった場合や、各種ビアホールトレインなど元々期間限定であった場合などに行われる。元に戻った後は他車と全く区別が付かなくなる場合もしばしばである。また戦後の混乱期には車両数を確保するために展望車などを改造したこともあった。 例としては前者に名鉄1000系電車「ブルーライナー」、後者には江ノ電の納涼電車などが挙げられる。 一般車に格下げされる場合 これには2パターンあり、元々グリーン車や座席指定の車両を普通車(自由席)にする場合と運用がなくなったイベントトレインとジョイフルトレインを一般車と共通運用にする場合がある。 前者の場合リニューアル改造などが同時に行われることも多いが、後者の場合は無改造であったり座席の固定化などの簡単な改造で済ますことも多い。 前者の例ではJR東日本のジョイフルトレイン(「Kenji」など)、後者では近江鉄道700系電車や国鉄色復元車(例:JR九州キハ58・65形「TORO-Q」用車両)もこれに含まれる。 戦中・戦後の混乱期には輸送力を確保するため、一等寝台車などを三等車(普通車)に改造した例もあった。 地方私鉄に譲渡される場合 JR・大手私鉄では余剰となった車両でも、地方私鉄では重要な戦力になる場合も少なくない。 後述のようにその鉄道会社に合わせた改造が行われることがほとんどだが、内装はそのまま使われることも多い。 ジョイフルトレインではわたらせ渓谷鐵道の「サロン・ド・わたらせ」(旧「やすらぎ」)や富士急行の「フジサン特急」(初代、旧「パノラマエクスプレスアルプス」)、イベントトレインとしては三陸鉄道の36-300形(横浜博覧会協会より譲受)といった例が存在する。
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