観光協会をとりまく課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 04:51 UTC 版)
国際観光における都道府県と市町村の温度差 2008年10月に観光庁が発足し、国際観光への対応が観光協会にも求められてきている。各都道府県の観光協会も国際インバウンドや、滞在型観光への取り組みをおこしているが、観光都市を除く市町村の観光協会との温度差が表面化しつつある。 地方自治体と観光協会の役割分担 観光協会は、観光振興の専門家集団・団体であり、シンクタンク的な役割とイベント事業の実施部隊としての役割が期待されていた。しかし実際には、財源の主である地方自治体の意向が強く反映され、その指導を受けて事業を行う下請け的な存在になりがちである。 地方自治体のスリム化が進むなか、観光事業者を除く管内の住民に直接関与しない観光担当課は、人員・予算の削減の対象になりやすい。そのため、地方自治体の観光振興事業そのものが観光協会へと委譲される傾向にあるが、もともと観光協会は人的余裕がないうえ、地方自治体が補助金の予算を削減する傾向もあり、受け皿としては余裕がないことが問題となっている。 指定管理施設の運営 地方自治体の指定管理施設が増えるにつれ、観光協会が指定管理者となっている観光案内所や博物館などが増えた。観光協会にとっては、財源確保のための収益事業の一環でもあるが、観光拠点や観光資源を直接運営することで活性化を図るという公益事業でもある。しかし、指定管理制度そのものが、地方自治体が直営するよりも経費を削減させることが目的で、提示される指定管理料では収益をあげることは難しく、観光協会の負担が大きくなる恐れがある。そもそも、観光案内所はもともと収益があがらない運営体制であるし、博物館は健全な運営のためには観光協会が新たに学芸員を雇用する必要性があるなど、財政的な負担が大きい。
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