製造工程・分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:14 UTC 版)
パンの典型的な製法は、小麦粉やライ麦粉などの穀物粉に水などを混ぜてパン生地にし、酵母かパン種をパン生地に混ぜ込んで生地を発酵させる事で(発酵の際に生じる二酸化炭素により)パン生地を膨らませ、さらにそれを加熱するというものである。 酵母とは微生物(菌類)の一種で、パンの製造にはこれを糖蜜 などで培養したものを用い、これによりパンはアルコール発酵する。一方パン種とは穀物や果実などに付着している酵母その他複数の微生物を利用して作られた液状ないし生地状のものである。パン種に入っている微生物としては例えば乳酸菌 や麹 があり、乳酸菌が乳酸発酵する事でパンに酸味が加わる。 加熱方法は全体に熱が通るようオーブンで焼くというのが典型的だが、パンの種類によってはパン生地を平たくして焼くもの(フラットブレッド)や、蒸すもの、揚げるものもある。また発酵させずに重曹やベーキングパウダーといった化学的膨張剤の化学反応による二酸化炭素で膨らませるものもある(速成パン、クイックブレッドとも。)。種無しパン、無発酵パンなどと呼ばれるパンは、そもそも膨らませる事を行わず、フラットブレッドとするものが多い。 これらを表にまとめると以下のようになる: 膨らませる方法加熱の方法具体例酵母で発酵させる オーブンなどで中まで加熱(発酵後) 食パン、フランスパン 平たくして加熱(発酵後) ピタ、ナン 蒸す(発酵後) マントウ 揚げる(発酵後) イーストドーナツ パン種で発酵させる オーブンなどで中まで加熱 サワーブレッド 膨張剤と加熱(速成パン) オーブンなどで中まで加熱 ソーダブレッド、スコーン、マフィン 平たくして加熱 ホットケーキ 蒸す 蒸しパン、ボストンブラウンブレッド 揚げる ケーキドーナツ 高圧の二酸化炭素を減圧する Aerated Bread 膨らませない(種無しパン、無発酵パン) 平たくして加熱 トルティーヤ、ロティ 揚げる プーリー パン生地には味付けのために塩、砂糖、レーズン、ナッツなどを練り込んだり、別の食材を生地で包んだり生地に乗せたりするものもある。また焼き上げた後さらに加工したパンもある(焼いた後に揚げる揚げパンなど)。
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