衰退した産地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 07:28 UTC 版)
江戸時代には隆盛を極め、幕府などにも献上された歴史を持っていたが、都市化、後継者不足、水質悪化、機械製麺の興盛などの影響により産地が消滅した地域。 小川素麺(埼玉県) 埼玉県比企郡小川町。『新編武蔵風土記稿』に名物との記述がある程の産地であったが、小川和紙が隆盛した事に伴い、素麺を生産していた家々が徐々に和紙生産へと転換し衰退。 久留里素麺(千葉県) 千葉県君津市久留里地区。良質の水に恵まれ、江戸幕府にも献上された歴史を持つ一大産地であった。 輪島素麺(石川県) 石川県輪島市。大門素麺は輪島素麺に勉強に行って発祥したと言い伝えがある。いわば大門素麺の祖先。 河内素麺(大阪府) 大阪府枚方市。近代に至るまで隆盛を極めたが、都市化や環境の劣化に伴って次第に衰退。21世紀に入る頃には自家消費での生産がわずかに残る状態であったが、伝統を受け継いでいた最後の農家が2012年(平成24年)に生産から撤退。その後、地元在住者が技術と生産の継承に取り組んでいると報じられ、2020年現在では同市の「藤井米穀店」が生産している。枚方市#伝統産業も参照。 灘素麺(兵庫県) 兵庫県神戸市東灘区など。灘目そうめんとも呼ばれる。三輪から技術を伝えられ、魚崎地方を中心に発展し、江戸時代には上方の代表産地として名を馳せ、後に灘素麺の技術は播州、鴨方など他産地に伝播した。明治時代後期から都市化などにより水車産業が急速に衰退し、東灘区では作られなくなったものの、同市北区の米穀・食品販売会社「つくしや」が2012年(平成24年)以降、「神戸素麺 灘乃糸」として生産している。
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