表現のツールとして
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 02:07 UTC 版)
レゴブロックの使用目的は「おもちゃ」の域に留まらず、これで彫像を作ったり、モザイクで巨大な絵を作ったり、複雑な機械を作ったりするような、熱狂的な愛好者が多く存在する。なかには、数十万個の部品を使った重さ数十キロの彫像作品もある。実際に機能する南京錠や振り子時計、さらにハープシコード、エアコンまでもがレゴで作られている。また、ルービックキューブを解くという難しい技を、レゴのモーターとカメラを使って行う作品もある。 ポーランドの芸術家 Zbigniew Libera は、アウシュビッツを題材にした架空のレゴシリーズ「レゴ強制収容所(LEGO Concentration Camp)」という作品を発表した。 アメリカのロックバンドホワイト・ストライプスの歌「フェル・イン・ラブ・ウィズ・ア・ガール」(Fell in Love with a Girl)のミュージック・ビデオにもレゴが使われている。監督のミシェル・ゴンドリーは、まず実演をビデオに撮影し、それをデジタル化した動画を、すべてレゴブロックで再現してコマ撮りアニメにした。この作品は2002年にMTVのビデオミュージック賞を受賞した。モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイルのDVDには、レゴのミニフィグで『キャメロット』のミュージカル場面を再現した作品が収録されている。 レゴはさまざまな予想外の使い方もされている。たとえばブレンダン・ポウエル・スミス牧師はレゴの聖書を作った。The Brick Testamentには、そのレゴ聖書の写真が2,000枚以上掲載されている。大学教授デーヴィット・ガントレットによるtheory.org.ukには、社会理論家のレゴ版がある。LDrawというソフトウェアを使えば、レゴの3DCGを作ることができる。ブロックの高い精度を利用して、物体の正確な寸法と相対位置を認識させるコンピュータビジョンの研究でも、テストデータの作成に使われている。 レゴブロックを使った自作のデジタル動画は、「レゴスタジオ」という製品を使って作ることもできる。これには、レゴウェブカム(LogitechのUSB QuickcamのOEM)や、コンピューターに録画するソフトウェア、カメラに写らない場所からミニフィグを操作するための透明なプラスチックの棒、スティーヴン・スピルバーグに似たミニフィグが付属している。 1992年、ギネスブックにレゴ製品で作った物が2件登録された。一つは、4.45メートル×5.22メートルの世界最大の城で、スウェーデンのテレビ局が40万個のレゴブロックで作ったもので、もうひとつは、545メートルの長さの線路と機関車3両である。 レゴブロックで実際に人間が居住可能な家を建築した例もある。2009年9月にはBBCのテレビ番組『James May's Toy Stories』において、約330万個のレゴブロックを使って一軒家を建設し、番組の司会者であるジェームズ・メイがその家で数日間生活するという企画を行ったことがある。番組ではこの家の買い手を募集したが購入希望者は現れず、結局9月下旬には家は取り壊され、使用されたレゴブロックはチャリティーオークションにかけられた。
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