街の電器屋さん再編成の動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 09:51 UTC 版)
「電器店」の記事における「街の電器屋さん再編成の動き」の解説
一度は家電量販店に追われる形でその役目を終えたかのように見られていた「街の電器屋さん」だが、1990年代後半から2000年代に掛けて次第にその様相を変えながら再び注目を集めるようになってきている。 その一端がホームシアター等に代表される娯楽家電機器の流行に見られる。これら機器は相互に接続して初めてその機能を発揮するがさまざまなAV機器は非常に多くのコネクターを持ち、その配線は一般の消費者には理解しづらい。また地上デジタル放送対応機器(いわゆる「デジタル家電」)は従来の機器と異なり、接続の他にさまざまな初期設定が必要である。取扱説明書が目的別に分割されていること、新しい専門用語が多数出てくること、さらに従来のアナログ機器にはなかった新しい項目が加わったことから接続や初期設定などの設定までサービスを広げている店舗もある。 このような機器の設置工事では購入した家電の配送までしか対応しない家電量販店よりも(量販店では設置・接続・初期設定の作業まで依頼すると出張手数料が別にかかることが多い)地域に密着して信頼のある「街の電器屋さん」に依頼するケースも増え、中高年層を中心にこれを通じて次第に家電量販店から「街の電器屋さん」へと回帰する傾向も見られる。 元々街の電器屋さんはさまざまな形態があり電気工事店としての側面を併せ持つことも多く、中には主要業務がむしろその方面であることも少なくない。経営者ないし従業員もノウハウの差こそあれ電気工事士の資格を持つ者がほとんどであり、さらにさまざまな資格を持ち家電の枠に収まらないこともある。特にデジタル放送が主流になると機器の通信用に電話回線やLANケーブルの、配線工事が必要になった。通信回線の工事には電気通信設備工事担任者の資格が必要になるが、家電量販店側にとっては店員に資格を取得させるよりも、これらの工事に精通した街の電気屋さんに依頼した方が低コストである。 この他、高齢化によって余り出かけることのない高齢者宅や核家族化によって高齢者のみの世帯も増え、これらへの細かいケアが可能な「街の電器屋さん」では消費者の元に出掛けて行きメンテナンスを通じて信頼関係を築く方法も模索されている。
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