街への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/18 04:48 UTC 版)
自称アートを謳っていても、荒廃した雰囲気を作り出してしまうなど、周囲に悪影響を及ぼす事がほとんど。 街に乱雑なストリートアートが溢れることには、割れ窓理論に絡んで犯罪が起こりやすい雰囲気を作り出すと懸念されている。 個人の住宅の外壁や商店のシャッターに描き込まれる場合が多く見られ、所有者に深刻な損害を与える。 その一方で少子高齢化の進む日本に於いて、商店街に閉店した店が目立ってしまう事から、閉店している店のシャッターを装飾する事で商店街の活性化を期待する活動も一時期行われた。が、一時的なものでありそれで活性化した例は聞こえてこない。 シャッターに描かれたアートはそのままいつでも見られる状態(つまりは店舗は復活できていない)又は店舗ごと消えている場合が多い。 この場合、市民から作品を募る所もある。特に完成度の高いストリートアートは従来、その上に乱雑なタギングなどの描き込みをしたり張り紙広告を行うのを躊躇させる効果も見られたため、公共の場所への落書き防止のために用いられる場合もあったが、そもそもストリートアートの描き手は公共物に落書きをする事を良しとしているタイプの人間である為、そのモラルの無さから臆面も無く汚される。現状で落書き防止の効果はほとんどないと言っていい。(タギングの項も参照) ヨーロッパやアメリカ、近年では日本でも、特定の壁面を解放し自由に描いてもらおうという「リーガル・グラフィティ(合法的な落書き)のための壁面」を用意する自治体や建物所有者がごく一部試験的に現れるようになった。描きたい人間には見回りの目を気にしない発表の場を存分に提供し、同時に非合法な落書きを減らし、都市の装飾や観光にも使おうとのアイデアである。これには非合法の落書きを減らすことにはならないと歓迎しない立場と、歓迎する立場とがある。 なお、2005年には水戸芸術館で美術の立場から海外や日本のストリートアートを考える展覧会が開かれ、一環として水戸市内にも合法的に制作されたストリートアートが出現している。
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