行政学者の教育委員会制度廃止・縮小論とは? わかりやすく解説

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行政学者の教育委員会制度廃止・縮小論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 05:34 UTC 版)

教育委員会」の記事における「行政学者の教育委員会制度廃止・縮小論」の解説

行政学者からも教育委員会制度廃止解体縮小論が挙がる伊藤正次は、『岩波講座 自治体構想 機構』において、今後教育行政改革あり方について、 (1) 教育委員会活性化モデル、さらに、一般行政のなかにおける (2) 総合行政モデル(3) 保護者学校選択制基盤とした市場選択モデル3つのガバナンス・モデルにタイプ化し教育行政一般総合行政への統合言及した第一教育委員会活性化モデルとは、「従来文部省統制緩和目指しつつも、制度根幹には改革の手加えず、むしろ、教育委員会専門性高め自治体内部における教育委員会プレゼンス拡大することを指向」する。後述するように教育行政職・教職関係者重用することで教育委員会専門性高めようとするもので、文部省のみならず教育学界や教職員関係者からも支持得ている。 第二一般総合行政モデルは、教育委員会首長から相対的独立性有している点を問題視し、「教育行政直接公選首長の下に置」き、「教育委員会廃止して首長補助機構としての部局再編化する」ことである。文化・社教育行政学校教育行政所管自治体自主性委ねることにより、自治体住民の代表である首長が「住民ニーズ沿って総合的な教育施策展開する」ことを意図している。 第三市場選択モデルは「教育行政機構自体徹底的な分権化を指向する」。このモデルは、「学校組織としての自律性与え同時に親・子どもに学校選択する権利付与することで、公教育供給をめぐる競争市場創出することを提唱する」。市場選択モデルは、「文部省統制画一的学校管理からの脱却目指し公教育市場原理導入するとともに教育委員会から各公立学校大幅な権限委譲行い教育委員会機能縮小ないし停止させる構想」である。 伊藤はこうして3つのガバナンス・モデルを提示したうえで、「教育委員会活性化モデルが、実際に教育委員会活性化もたらすかどうか疑問呈した。「教育委員兼任教育長現状以上に主導権握り委員会審議がさらに形骸化する可能性があるなど、教育委員会活性化めざした改革が、教育委員会さらなる形骸化を招く可能性がある」からとする。伊藤は、「都道府県政令市から小規模町村まで一律に教育委員会設置され教育行政ネットワーク全国大に張り巡らされてきたこと」によって、「文部科学省頂点とする中央集権的な指導助言ネットワークが、首長議会あるいは住民意思から遊離していく危険性」を指摘する地方教育行政法廃止地方自治法改正による教育委員会必置規制廃止自治体が自らの判断教育ガバナンス形態選択できるよう教育ガバナンス多様化主張している。

※この「行政学者の教育委員会制度廃止・縮小論」の解説は、「教育委員会」の解説の一部です。
「行政学者の教育委員会制度廃止・縮小論」を含む「教育委員会」の記事については、「教育委員会」の概要を参照ください。

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