著作物の発行の定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 23:22 UTC 版)
「著作権法 (アメリカ合衆国)」の記事における「著作物の発行の定義」の解説
著作物の流通の観点からは、「既発行」(published) と「未発行」(unpublished) に分類され、著作権の保護範囲が異なる。1976年の著作権改正法(英語版)(Copyright Act of 1976) が施行された1978年1月1日以降は、米国著作権法の連邦法でも未発行著作物が保護されるようになったが、いまだに既発行と未発行では保護期間に差異がある。ここでの「発行」(publication, publish) の定義とは (第101条)、「著作物を複製 (copy) またはレコード収録 (phonerecord) し、一般に頒布すること」であり、「販売その他の手段による所有権の移転、レンタル、リースや貸与」が頒布の具体的手段として挙げられている。そして「更なる頒布、実演または展示を目的として、複製またはレコード収録した著作物を特定の団体組織に提供することを発行と呼ぶ」としている。注意点として、「著作物を公に実演したり展示したりする行為そのものは、ここでの発行には含まれない」とされる。 著作物の多くがインターネットを介して流通している現代社会において、発行の境界線をどのように解すべきか、いくつかのアプローチがとられている。全米の著作権関連団体・企業などが参加する米国著作権連盟(英語版) (The Copyright Alliance) によると、公衆向けに流通・販売・展示する目的で、著作物が複製またはレコード収録された最初の日が、既発行と未発行の境目だとされる。既発行の著作物の場合、発行を起点として著作権の保護期間が計算される。 また米国メディア写真家協会(英語版) (ASMP) は、写真のデジタル画像をウェブサイトにアップロードした場合、発行に該当するのかについて回答を寄せている。同協会によると、 顧客に依頼されて撮影した写真をデジタルデータの形式で納品した場合、「複製またはレコード収録した著作物を特定の団体組織に提供」に該当するため、発行とみなされる可能性がある 写真家個人が運用するウェブサイトにデジタル画像を掲載した場合、そのサイトが一般からアクセス可能な状態であれば発行とみなされ、またそのウェブサイト自体が写真だけでなく文章やイラストなどの著作物で構成されているため、ウェブサイト全体が著作権保護の対象となるだろう と解説している。
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