舷側砲塔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 03:09 UTC 版)
.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} ドレッドノート以前のアガメムノン。9.2in中間砲が舷側砲塔に搭載されていた 戦艦「ドレッドノート」。両舷にそれぞれ12in主砲を搭載している 舷側砲塔(wing turret)は、艦の中心線から外れて舷側やスポンソンに配置された砲塔である。 舷側砲塔では射界が制限されるため、通常、片舷の火力だけにしか貢献できない。しかし砲撃戦でもっとも多いのは片舷砲戦であるのだから、これは舷側砲塔の最大の弱点である(反対側の砲が無駄になる)。ただしイギリスの戦艦「ドレッドノート」のような配置では、舷側砲塔が首尾方向にも砲撃できた。これは丁字戦法を取られた場合の不利をいくぶん解消し、また、後方の敵に応戦することもできた。 イギリスのインヴィンシブル級巡洋戦艦、ドイツの巡洋戦艦「フォン・デア・タン」のように、2基の舷側砲塔がいずれも両舷真横に発砲できるよう斜めにずらして配置する試みもあった。しかしこれは発砲時の爆風のため、自艦の甲板に大きな被害を引き起こす危険があった。 舷側砲塔は、1800年代後半から1910年代初めまでの主力艦や巡洋艦では標準的であった。また、ドレッドノート以前の戦艦でも、主砲より小口径の副砲には舷側砲塔が使われていた。大型の装甲巡洋艦では主砲にも舷側砲塔が使われることがあったが、砲塔ではなく砲郭を用いるほうが多かった。当時は砲の性能と砲撃管制の問題から交戦距離が短く、小口径砲を多数装備するほうが敵艦の上部構造物と副砲を破壊しやすく、価値が大きいと考えられていた。 1900年代前半には、砲の性能、装甲の質、艦の速力が全般に高まり、交戦距離も延びていった。結果として、副砲の有用性は減少した。そこで初期のド級戦艦は、11インチか12インチ口径の「全大口径砲(all big gun)」装備を行なうようになり、その一部は舷側砲塔として配置された。しかしこの方式は十分とは言えなかった。舷側砲塔では舷側斉射の射界が狭くなるだけでなく、大型化する砲の重量による艦体構造への負担が大きくなり、適切な装甲を施すことがますます難しくなったからである。また、後のさらに大型の砲、たとえばアメリカ海軍最大の巨砲、マーク 7 50口径16インチ砲は艦体に対する負担があまりに大きく、舷側砲塔に入れることは不可能だった。
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