舷側板張り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 13:32 UTC 版)
舟敷が完成したら、チㇷ゚ラㇷ゚イタ(舷側板。直訳すれば「舟の翼の板」)、や艫、舳部分に取り付ける板、さらに板を船体に取り付けるためのテシカ(縄)を用意する。この縄の素材にはニベシ(正確な発音はニペㇱ。シナノキの樹皮)、エゾヤマザクラの樹皮、クジラの髭の3種類があり、北海道太平洋沿岸ではシリキシナイ(現在の函館市恵山町)からビロウ(広尾町)までの地域はニベシや桜の樹皮が使われ、ビロウからクナシリ(国後島)までの地域ではクジラの髭が多く使われた。 まず基礎となる舟敷の舷にいくつもの孔を穿って縄を通し、その縄を舷側板にも穿っておいた孔に通すことで縫い付ける。新たな舷側板をあてがうことを繰り返し、船体の大まかな形を模る。板同士の隙間には苔を詰め込んで漏水を防ぐ。船体が完成したところで、船首にイナウを捧げ、船魂を祀る儀礼・チㇷ゚サンケを執り行う。こうして作られた船体の大きさは200石積みの和船と同じくらい(約20トン)となる。ウイマム(松前藩主との謁見行事)に赴く際の船はウイマムチㇷ゚と呼ばれ、特別な儀装が成される。
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