興行・宣伝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 07:05 UTC 版)
「ダイナマイトどんどん」の記事における「興行・宣伝」の解説
1978年の映画興行は『スター・ウォーズ』が予想以上のヒットにはならず、洋画の下半期に強力作品がなかったことから、ナリを潜めていた邦画界の逆襲が期待された。特に10月興行は、本作の他、東映、日本ヘラルド共同配給『野性の証明』、松竹『皇帝のいない八月』(10月7日から『鬼畜』)、東宝『聖職の碑』と全作品を現役、元東映俳優が主演を務めるという珍しい興行争いとなった。菅原は前年の秋に自身が企画して主演した『ボクサー』が配収3億円と同時期公開された角川映画『人間の証明』配収25億円とボロ負けし、一年経ってまた角川と戦うことになり、角川の物量宣伝作戦に背に腹は代えられず。菅原は常々「映画で食えるうちは、テレビの世話になりたくない。もちろんCMはすべて断る。オレは映画俳優だ」と公言していたが、『野性の証明』が書籍も合わせると10億円の宣伝費を使うと聞き、ヘタをするとかすんでしまうという危機感から、何としても『ダイナマイトどんどん』をヒットさせたいと、チオビタ(大鵬薬品工業)のCMにノーギャラで出演した。その代わりにCM中に「ダイナマイトどんどん!」と映画のタイトルを宣伝するという条件を付けた。 菅原は「角川さんだとか、そういう異質な人がね、映画界に殴り込んで来て、その人たちがいままでにない規模で物量を投入しはじめて、今のテレビを主体にした宣伝時代にぴたっとしたもんですから、それなりに成功を収めた。ひとつのプログラムとして映画館に毎週毎週提供していたところへ、異質な形態で入って来た人たちにかき回されて周章狼狽しちゃって、活動屋はみんな右へ倣えしていますね。時代がそうなんだからそれでいいという考えもあるし、しかしやっぱりそれだけじゃ面白くない。映画っていうのは本来、映画館の片隅の暗がりで、青春の憂さの吐けどころといったものが基調にならなければいけないという考え方もある。ボクがそれで来たものだから、今の傾向には多少反発もあるし、ボクはボク流のやり方でそういうものに斬り込んでいくしかない。しんどいですけど。ボクは前売り券が出るような映画には出たくないんですよ。今回も『犬笛』もやむを得ず前売り券を出していますけど、映画というのは長い目で見れば、やっぱりキッチリ作って、もちろんそれなりの宣伝は必要なんですけど、それ以上にお客さんが自分の嗅覚で嗅ぎとって劇場へ観に来て下さるというのが一番まともなんじゃないですかね。だから巨額の宣伝費をかけたり、前売り券を何十万枚も売るなんていうのは、そうそう続かないと思うんです。お客さんも前売り券を買ったから見に行くんじゃなくて、新聞を見るなりして自分の見たい映画をセレクトして見に来てくれるということじゃないと、映画は面白くならないし、ボクはそういうものに流されないでいこうと思っています」などと角川映画を批判した。
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