脱水素化
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/14 03:08 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動脱水素化(だつすいそか、英: dehydrogenation)は、水素 (H2) の脱離を伴う化学反応である。水素化 (hydrogenation) の逆過程。脱水素反応は工業的な大スケールあるいはより小規模の実験室でも行われる。
脱水素化には様々な分類がある。
- 芳香族化
- 6員環脂環式環は、硫黄やセレン元素などの脱水素化触媒あるいはDDQといったキノン類の存在下で芳香族化することができる。
- 酸化
- アルコールのケトンあるいはアルデヒドへの変換は、亜クロム酸銅といった金属触媒によって達成できる。オッペナウアー酸化では、水素が一つのアルコールからもう一方へ移動し酸化が起こる。
- アミンの脱水素化
- アミンはIF5といった様々な試薬を用いてニトリルに変換できる。
- パラフィンおよびオレフィンの脱水素化
- n-ペンタンおよびイソペンタンのようなパラフィンは、温度500 °Cで触媒として酸化クロム(III)を用いてペンテンおよびイソプレンに変換できる。飽和脂肪は脱水素化によって不飽和脂肪へと変換される。
脱水素化反応を触媒する酵素は脱水素酵素(デヒドロゲナーゼ、dehydrogenase)と呼ばれる。
脱水素過程は精製化学製品、油脂化学製品、石油化学製品および洗剤工業においてスチレンを生産するために広く用いられている。
この脱水素過程に使用されそうな供給原料は、
といった炭化水素や硫化水素あるいはヨウ化水素といった無機化合物である。
参考文献
- Advanced Organic Chemistry, Jerry March, 1162-1173.
- “High-Efficiency Dehydrogenation Process”. First Principals. 2011年11月17日閲覧。
脱水素反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/20 17:10 UTC 版)
肝臓においてエタノールの代謝産物である猛毒のアセトアルデヒドを酢酸へ代謝する反応を触媒するアセトアルデヒド脱水素酵素として機能することがよく知られている。ALDH2のアセトアルデヒドに対するミカエリス・メンテン定数は他のALDHに比べ非常に低く、飲酒時に生じるアセトアルデヒド濃度相当の1マイクロモーラー以下であり、飲酒由来のアセトアルデヒドの解毒責任酵素と考えられている。 アセトアルデヒド 酢酸 アセトアルデヒド以外のホルムアルデヒドなどのアルデヒド類も基質となりうることが報告されており、脂質の過酸化により生じるアルデヒドである4-ヒドロキシノネナール(英語版)(4-HNE)やその類似物質、マロンジアルデヒドも基質と考えられている。それ以外にもグリオキサールやメチルグリオキサールなどの生体内物質であるアルデヒドも基質となりうる。また、神経伝達物質であるドーパミンの代謝産物である3,4-ジヒドロキシフェニルアセトアルデヒド(DOPAL)や3,4-ジヒドロキシフェニルグリコールアルデヒド(DOPEGAL)、セロトニンの代謝産物である5-ヒドロキシインドール-3-アセトアルデヒドもALDH2の基質であると報告されている。
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