析出機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/21 01:50 UTC 版)
「無電解ニッケルめっき」の記事における「析出機構」の解説
次亜リン酸水溶液は加熱しただけでは還元反応を起こさないが、鉄、ニッケル、コバルト、パラジウムなどの鉄族元素や白金族元素の金属を浸漬することにより、金属の表面が触媒となり、次亜リン酸イオンの脱水素反応が起こり、原子状水素 H とメタ亜リン酸イオン PO2− になる。 [H2PO2]− → [PO2]− + 2 H (cat) … (1) メタ亜リン酸イオンは水と結合して亜リン酸イオンとなる。 [PO2]− + H2O → [H2PO3]− … (2) 原子状水素 H の一部は直接結合して水素ガスになり、一部はニッケルイオンの還元剤となりニッケルを析出させ、一部は次亜リン酸を還元してリンとなし、これはニッケルと合金をつくる。 2 H (cat) → H2↑ … (3) Ni2+ + 2 H (cat) → Ni0 + 2 H+ … (4) [H2PO2]− + H (cat) → P0 + OH− + H2O … (5) このとき式3の反応は式4の2倍の反応速度で進行するため、酸性浴の場合便宜なめっき状態における次亜リン酸塩の利用効率は約33%である。すなわち、ニッケル1モルのめっきに対して次亜リン酸3モルが必要である。
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析出機構
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「無電解ニッケルめっき」の記事における「析出機構」の解説
還元剤としてDMAB(ジメチルアミンボラン)を使用したとき、主反応は式6のようになり、副反応として式7、8が起こる。 3 Ni2+ + (CH3)2NHBH3 + 3 H2O → 3 Ni0 + H3BO3 + (CH3)2H2N+ + 5 H+ … (6) 4 Ni2+ + 2(CH3)2NHBH3 + 3 H2O → 2 Ni0 + Ni2B + H3BO3 + 2(CH3)2HN+ + 6 H+ … (7) (CH3)2NHBH3 + 3 H2O → H3BO3 + (CH3)2HN+ + 3 H2↑ … (8) 銅はDMABの酸化反応に対して触媒性を示すため、銅材にNi-Bめっきをする場合はパラジウムのような触媒付与処理をする必要がない。式8の反応でホウ素を共析する。
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