還元剤として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 00:26 UTC 版)
「水素化ホウ素ナトリウム」の記事における「還元剤として」の解説
有機合成化学分野において、還元剤として常用される。ケトンやアルデヒドなどのカルボニル化合物を、対応するアルコールへ還元する。通常メタノールやエタノールなどのアルコール系溶媒中で反応を行う(ただしメタノールに溶かすと氷冷下でも1時間で80% が分解してしまうので注意が必要である。イソプロピルアルコール中では安定である)。同じく還元剤の一つである水素化アルミニウムリチウムに比べて還元力が弱く、単に混ぜたのみではエステル、アミドなどは還元しないため、複数の官能基を持つ化合物の選択的な還元が可能である。ただしテトラヒドロフラン(THF)などの溶媒を用いて加熱するなど条件を厳しくすれば、エステルなども還元される。また、反応溶媒として水を用いることができるのも特徴の一つであるが、塩基性条件で用いる必要がある。 塩基性水溶液中における標準酸化還元電位は以下の通りであり、かなり強い還元作用を示す。 B ( OH ) 4 − ( aq ) + 4 H 2 O + 8 e − = BH 4 − ( aq ) + 8 OH − ( aq ) {\displaystyle {\ce {B(OH)4^{-}(aq)\ +4H2O\ +8{\mathit {e}}^{-}=BH4^{-}(aq)\ +8OH^{-}(aq)}}} , E ∘ = − 1.241 V {\displaystyle E^{\circ }=-1.241{\rm {V}}}
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