酵素の内の酸塩基触媒部位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/26 06:39 UTC 版)
「酵素反応」の記事における「酵素の内の酸塩基触媒部位」の解説
化学反応を起こさせるには pH が極端な状態に基質を置くのが有効な場合があり、酵素内でも同様の変化が起きていると考えられている。特に加水分解や脱水素反応は酸塩基触媒部位によるプロセスが重要であり、キモトリプシンなどでは以下のプロトンの伝達のモデルが考えられている。 His57 がプロトンを負に荷電した Asp102 に譲渡する His57 が塩基となり、活性中心の Ser195 からプロトンを奪う Ser195 が活性化されて(負に荷電して)基質を攻撃する His57 がプロトンを基質に譲渡する Asp102 から His57 がプロトンを奪い 1. の状態に戻る ここで His などはタンパク質を構成するアミノ酸残基の3文字略号を示し、右肩の数字は N 末端からの番号を表す。酵素の中で、酸塩基触媒として最も作用するのはヒスチジンである。ヒスチジンは等電点が pH 6 であり、生理的な条件に極めて近い。ヒスチジンはプロテアーゼ以外にも脱水素酵素の活性中心を担当している場合が多い。
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