酵素の設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/02 00:52 UTC 版)
新規酵素の設計は、計り知れない生物工学や医用生体工学への応用が期待されるタンパク質設計の一つである。一般に、タンパク質構造の設計と酵素の設計は異なり、これは、酵素の設計では触媒機構に関わる多くの状態を考慮する必要があることによる。しかし、タンパク質の設計は、de novo酵素設計の前提条件であり、それは少なくとも触媒の設計には、触媒機構を挿入できる足場が必要というためである。 21世紀の最初の10年間で、de novo酵素設計と再設計は大きく進展した。David Bakerらは、3つの主要な研究で、逆アルドール反応、ケンプ離脱反応、およびディールス・アルダー反応のための酵素をde novo設計した。さらに、Stephen Mayoらは、ケンプ離脱反応において最も効率的な既知の酵素を設計するための反復法を開発した。また、Bruce Donaldの研究室では、計算機的タンパク質設計を使用して、グラミシジンS(英語版)を生成する非リボソームペプチド合成酵素のタンパク質ドメインの1つの特異性を、その天然基質フェニルアラニンから荷電アミノ酸を含む他の非同族基質に切り替えることに成功し、再設計された酵素は野生型に近い活性を持っていた。
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