耐震工事とは? わかりやすく解説

耐震工事

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/01 19:45 UTC 版)

耐震工事(たいしんこうじ)とは自然災害地震)で建物が倒壊するのを防ぐための工事である。

概要

建築物に必要な最低限の耐震基準は1950年に建築基準法によって定められ、同法の改正に伴って既存の耐震構造を見直したり補強したりする必要がある。建築物を建てた時点では適合していても、その後の法改正により建物の耐震基準が法で定められた基準に満たなくなった場合、リフォームなど建築物の増改築時には必ずその時点で適合するようにしなければならない。 耐震改修促進法の中で1981年以前の建築物は耐震診断、耐震改修を行なうように求められているが罰則は無い。 耐震改修促進法に基づき耐震補強を行った場合は、建築基準法の耐震に係わらない既存不適格の部分に対し、遡及を求めない、補強のための鉄骨には耐火被覆を行わなくても良いなど、改修に係るハードルを下げている

実務としての耐震診断、耐震補強は主に以下の資料によって行われる。

  • 「官庁施設の総合耐震診断・改修基準及び同解説」  (財)建築保全センター
  • 「耐震改修促進法のための既存鉄骨造建築物の耐震診断および耐震改修指針・同解説」 (財)日本建築防災協会
  • 「既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・耐震改修設計指針同解説」 (財)日本建築防災協会

歴史

耐震補強の例

構造方式に寄らない耐震補強の例

RC造の耐震補強

靭性型と強度型に分類される。

  • 袖壁増設補強
  • 袖壁増打補強
  • 耐震壁増設補強
  • スチールパネル補強
  • 外付けPCフレーム補強
  • 内付け/外付け鉄骨ブレース補強(K型、マンサード型、x型等)
  • スリット補強
  • バットレス補強
  • 炭素繊維シート巻き補強
  • 鉄板巻き補強
  • 閉鎖型フープ補強

S造の耐震補強

  • プレート補強
  • 柱根巻き補強
  • 方杖補強
  • 座屈止めの追加

W造の耐震補強

  • 金物補強

耐震工事関連の指針

  • 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・耐震改修設計指針
  • 既存鉄骨鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・耐震改修設計指針
  • 耐震改修促進法のための既存鉄骨造建築物の耐震診断および耐震改修指針
  • 既存壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断
  • 木造住宅の耐震診断と補強方法
  • 木造住宅の耐震補強の実務

関連項目

外部リンク


耐震工事

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 00:00 UTC 版)

別府明礬橋」の記事における「耐震工事」の解説

設計当時設計水平震度0.2レベル1地震動相当)で設計されたが、東北地方太平洋沖地震のようなプレート地震兵庫県南部地震のような内陸地震対す落橋防止地震からの早期復帰ができるように2014年に耐震工事が実施された。しかし、大規模RC固定アーチ橋耐震補強という、実例少な工事でもあった。ファイバーモデル、モデル活用した耐震性能の照査等を行いねじりモーメント算出実施したその結果景観係るアーチリブおよび補剛桁を無補強とし、橋脚のせ剪断力軸方向鉄筋部の耐震強化のみを強化することとなった基礎への影響施工条件制約景観観点から炭素繊維シートによる補強選ばれたが、これにも土壌pH4以下に耐えうる耐酸性求めた。これをパテレジン用いてFRP化したCFRPによる補強実施した補強しない部位に関しては、凍結防止剤散布影響を減らすためコンクリート保護加工実施し景観損なわぬようするため、その境界部目立ちにくく塗装加工した工事に際して建設時同様に国道500号温泉地加えて上部高速道路にも配慮払った工事実施された。 耐震補強工事終了後2016年熊本地震発生4月16日本震では、近傍別府市鶴見震度6弱別府市天間震度5強を観測震度等は当該記事参照)。大分県震源地周囲大分自動車道道路施設被災する中、2016年5月25日付の西日本高速道路による被害復旧報告によれば別府明礬橋に関する著明被害報告されていない

※この「耐震工事」の解説は、「別府明礬橋」の解説の一部です。
「耐震工事」を含む「別府明礬橋」の記事については、「別府明礬橋」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「耐震工事」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「耐震工事」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「耐震工事」の関連用語

耐震工事のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



耐震工事のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの耐震工事 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの別府明礬橋 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS