総和は積分であるとは? わかりやすく解説

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総和は積分である

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 03:00 UTC 版)

数え上げ測度」の記事における「総和は積分である」の解説

数え上げ測度 μ を測度とする測度空間 (S, 2S, μ) が与えられたとき、S の任意の部分集合が μ-可測であるので、S 上の任意の実数値(あるいは複素数値)写像可測関数ということになる。μ-可測函数数え上げ測度 μ に関して可積分であるとは、たかだか可算個の点で非の値を持ち、それらの与え級数絶対収束していることをいう。このような可積分関数積分値対応する級数の和の値ということになる。 高々可算集合上の関数は、関数が値をとる空間における点列実数値関数ならば実数の列)だと考えることができる。可積分性関わる様々な条件課すことでこのような点列異なクラス分けることが出来る(Lp-空間ソボレフ空間など、函数空間参照)。 たとえば、可測空間 (N, 2N) の場合考えると、可測関数 a の数え上げ測度 μ による積分N a ( n ) d μ ( n ) {\displaystyle \int _{\mathbb {N} }a(n)\,d\mu (n)} の値は、任意の実数 t に対し At = {n ∈ N | a(n) = t} とすると、a(n)μ(At) = t|At| を任意の t について加え合わせたのである。これは、数列 (an)n∈N を項の値で類別して、同じ値のものはその個数加えということであるから結局は各項 an を一つずつ加えることとなり ∫ N a ( n ) d μ ( n ) = ∑ n ∈ N a n {\displaystyle \int _{\mathbb {N} }a(n)\,d\mu (n)=\sum _{n\in \mathbb {N} }a_{n}} が成り立つことが確認できる。特に ∫ N | a ( n ) | d μ ( n ) = ∑ n ∈ N | a n | {\displaystyle \int _{\mathbb {N} }|a(n)|\,d\mu (n)=\sum _{n\in \mathbb {N} }|a_{n}|} だから、関数 a が μ に関してルベーグの意味で)可積分であるとは右辺級数絶対収束するということと同じである。さらに、μ に関する自乗可積分関数全体の成す集合 L2(N, μ; R) は(狭義の)ヒルベルト空間 l2係数明示して l2(R) などとも書く)とよばれ、内積 ( a , b ) = ∫ N a ( n ) b ( n ) d μ ( n ) = ∑ n = 1a n b n {\displaystyle (a,b)=\int _{\mathbb {N} }a(n)b(n)\,d\mu (n)=\sum _{n=1}^{\infty }a_{n}b_{n}} (a = (an)n∈N, b = (bn)n∈N ∈ l 2) の定めノルムに関して完備ノルム空間(つまり広義ヒルベルト空間)である。 また、Λ = {1, 2, ..., n} とおいて、同様のことを可測空間 (Λ, 2Λ) で考えると、Λ 上の実数値関数とは実数の n-組 x = (x1, x2, ..., xn) のことで、その積分の値は有限和 x1 + x2 + … + xn である。 このとき、x が μ-可積分であるとは x の絶対値ノルム(1-ノルム)が有限ということだから、x ∈ Rn は常に積分可能である。つまり、Λ 上の数え上げ測度 μ に関して可積分実数値関数空間 L1(Λ, μ; R) は Rn である。同様に、1 ≤ p < ∞ となる p について、関数 x = (x1, x2, ..., xn)∈ Rn が p 乗可積分関数空間 Lp(Λ, μ; R) に含まれる条件Rn における p 乗ノルムp-ノルム) | | x | | p = ( ∑ k = 1 n | x k | p ) 1 / p {\displaystyle ||\mathbf {x} ||_{p}=\left(\sum _{k=1}^{n}|x_{k}|^{p}\right)^{1/p}} が有限であることになるから、 Lp(Λ, μ; R) = Rn となる。 上で述べたことは、実数複素数取り替えた複素数列の場合においても、絶対値複素数の絶対値とし、内積エルミート内積取り替えることで、そのまま通用する複素数全体集合 C は R と同様にその絶対値に関して完備だからである。

※この「総和は積分である」の解説は、「数え上げ測度」の解説の一部です。
「総和は積分である」を含む「数え上げ測度」の記事については、「数え上げ測度」の概要を参照ください。

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