総和を近似的に取る手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/18 03:03 UTC 版)
「ボレル・パデ解析」の記事における「総和を近似的に取る手順」の解説
次のように発散級数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} が有限次までしかわかっていないとする。 f ( x ) ∼ a 0 + a 1 x + ⋯ + a n x n + O ( x n ) ( x → 0 ) {\displaystyle f(x)\sim a_{0}+a_{1}x+\dots +a_{n}x^{n}+O(x^{n})\quad (x\rightarrow 0)} このとき、この発散級数の収束半径は0でもよいとする。 まず、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} のボレル変換 B f ( t ) {\displaystyle {\mathcal {B}}f(t)} を B f ( t ) ≡ ∑ k = 0 n a k k ! t n {\displaystyle {\mathcal {B}}f(t)\equiv \sum _{k=0}^{n}{\frac {a_{k}}{k!}}t^{n}} と計算する。このとき、変換された級数の収束半径が有限であるとしてよいのならば、パデ近似により、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} のボレル変換 B f ( t ) {\displaystyle {\mathcal {B}}f(t)} を B f ( t ) ≈ [ n / m ] ( t ) {\displaystyle {\mathcal {B}}f(t)\approx [n/m](t)} と近似できる。ここで、パデ近似が B f ( t ) {\displaystyle {\mathcal {B}}f(t)} の良い近似を与えていると考える。最後に、この近似関数のラプラス変換 f ( x ) ≈ ∫ 0 ∞ e − t / x [ n / m ] ( t ) d t {\displaystyle f(x)\approx \int _{0}^{\infty }e^{-t/x}[n/m](t)dt} を計算したものが、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} のボレル・パデ解析またはボレル・パデ総和と呼ばれる f ( x ) {\displaystyle f(x)} の近似関数である。部分分数分解を用いると、この積分は、指数積分によって表されることがわかるので、右辺を x {\displaystyle x} について再び展開すると、収束半径0の関数となる。
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