絹本墨画水月観音像とは? わかりやすく解説

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絹本墨画水月観音像

主名称: 絹本墨画水月観音像
指定番号 1871
枝番 00
指定年月日 1987.06.06(昭和62.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書 天庵妙愛の賛がある
員数 1幅
時代区分 南北朝
年代
検索年代
解説文:  観音奇岩上に坐して大き円光負い背後楊柳挿した水瓶を置く。岩下静かな水面には月が映じ上方岩山から瀧が落ちている水墨画画題として好まれ類型属するが、中では水月表わす点が特徴的である。
 上部に賛五行がある。(向かって左から)
 良哉普賢身色
 非唯岩上巍然
 瀑布皓潔
 轂印水〓
 徳山天庵叟謹讃
 (「妙受」印)(「天庵」印)
 賛者の天庵妙受(一二六七-一三四五)は、足利尊氏帰依を受け、建武の頃(一三三四一三三七)に丹波光福寺開山となり、のち真如寺浄智寺雲巖寺南禅寺を歴住し康永四年(一三四五)に南禅寺退いて安国光福寺帰住十一月示寂した。賛に見える「徳山」は、光福寺山号景徳山」を意味し光福寺住持時の著賛と知られ、おそらく初住の時かと想像されるが、いずれにせよこの賛によって、図の製作年代限定することができる。
 図は筆墨使用が大変巧みである。例え観音像は淡目の墨を用いて滑かな細線で肉身描き、唇にを施す他、淡い暈も認められる白衣軽く抑揚のある線で、また宝冠から垂れて全身を覆う薄物の裂は細線で描き白衣薄物透けて見える部分にはやや淡い墨を用いる。円光背後水瓶は少しゆらいだ形のシルエットで表わし、岩は細かい肥痩濃淡階調凹凸を示す。光や空間表現優れた水墨画表現見せるが、整った像容材質感の追求には仏画伝統をうかがうこともできる初期水墨画複雑な状況考え上で貴重な一作である。



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