統計学の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 21:17 UTC 版)
統計学は、自然科学以外の定量的研究で最も広く使われている数学の一分野であり、統計力学など自然科学の分野でも応用されている。統計的手法は、経済学、社会科学、生物学などの分野で幅広く利用されている。統計的手法を用いた定量的研究は、仮説や理論に基づき、データ収集から始まる。通常は、大規模な標本データが収集された後、分析が行われる前に検証、妥当性確認、記録が必要となる。この目的のため一般に、SPSSやRなどのソフトウェアパッケージが用いられる。因果関係の調査は、実験結果に関連する他の変数を制御しながら、関心のある現象に影響を与えると考えられる因子を操作することによって行われる。たとえば健康の分野では、研究者は、運動などの他の重要な変数を制御しながら、食事摂取量と体重減少などの測定可能な生理学的効果との関係を測定し研究することが可能である。定量的な意見調査(英語版)はメディアで広く使用されており、ある立場を支持する回答者の割合などの統計が日常報道されている。意見調査の分野では、回答者に構造化された一連の質問をし、その回答を集計する。気候科学の分野で、研究者は気温や二酸化炭素の大気中濃度などの統計を集めて比較する。 また、一般線形モデル、非線形モデル、または因子分析を用いて経験的な関係や関連性の研究もよく行われる。定量的研究の基本原則によれば、相関関係は因果関係を意味しないとされているが、クライヴ・グレンジャーのように、一連の相関関係は因果関係の程度を示唆しうると提案するものもいる。この原則は、共分散がある程度認められる変数の間には、常に疑似相関が存在する可能性があるという事実に基づく。統計学の方法を用いて、連続変数とカテゴリ変数の任意の組み合わせの間で関連性を調べることができる。
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