統計の困難さとは? わかりやすく解説

統計の困難さ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 01:03 UTC 版)

統計学」の記事における「統計の困難さ」の解説

詳細は「再現性の危機」を参照 一度信頼できる統計データ取れえすれば統計学的分析数学的に行えるが、信頼できる統計データの収集はとても難しい。統計学源流各国人口その他を把握するために行った国勢調査求められるが、古代中世通じほとんどの国家では中央権力の力が弱くローマ帝国行われたセンサス中国歴代王朝の人口調査等の例外はあるものの、特に大国においてこうした調査を行うことはほぼ不可能だったこうした調査実行可能となるのは各国中央政府行政能力向上した18世紀から19世紀初頭にかけてであり、この時期初め近代的な意味での統計学成立することとなった現代においても、たとえば行能力脆弱なブラックアフリカ諸国においては統計局予算人員の不足が深刻であり、統計データ不正確さ指摘されている。 また、統計を取る人の主義主張によって統計値大きく異なることも多々あり、レーガン政権当時アメリカホームレス30万人かいない主張したが、活動家たちはその10倍の300万人いると主張した例えば、質問仕方一つ結果ガラリ変わってしまう。強姦に関するある調査で、女子大生に「男性からアルコール薬物飲まされて、望まない性交したことがありますか」と質問することで「女子大生の1/4が強姦されたことがある」という結論出したが、批判者たちはこの調査強姦体験者と認定され女子大生たちを集めて再調査したところ、その3/4がその体験強姦だと考えていないことが分かったまた、暗数考慮にも主観つきまとってしまう。暗数とは「統計出ない値」のことで、例え強姦のような犯罪はそれがタブーであるために警察届けないことも多く、したがって統計表れない。それには統計正しく読み解くには暗数考慮する必要があるが、統計値多く見積もりたい人は意識的無意識的暗数多く見積もってしまう可能性があり、逆に統計値少なく見積もりたい人は暗数少なく見積もってしまう可能性がある。 正し統計データから正し統計操作行ってもなお騙すことが可能である。たとえば、ここ四十数年少年犯罪は1/4になっているが、最近10年では微増している。この時、微増となっている最近10年分のデータだけを提示して、「近年少年犯罪増加している」という主張をすれば、これは成立することになる。さらに、グラフ縦軸(=犯罪数の軸)をわざと縦長に描くことで犯罪数が急上昇しているかのように見せかけることも可能である。

※この「統計の困難さ」の解説は、「統計学」の解説の一部です。
「統計の困難さ」を含む「統計学」の記事については、「統計学」の概要を参照ください。

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