経度の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 02:42 UTC 版)
経度の測定は、人々が大洋横断の航海を始めたときから焦点となっていた問題だった。正午の太陽の高度から、その日の太陽の赤緯を与える表を使用することにより、緯度を決定するのは比較的簡単だった。経度については決定する方法がなく、初期の航海士は、船舶の針路の方位と速度からの計算に基づく推測航法に頼らなければならなかった。その多くは、船長や航海士の直感に基づいていた。これは、陸地の見えない場所での長い航海では不正確であり、現在地を見失って遭難することも多かった。正確な経度の決定は、磁気偏角を決定するためにも必要だった。これは方位磁針が示す磁北と真北の間の差であり、大西洋やインド洋の重要な航路では最大で10度異なることがある。そのため、海上において経度を判断するための適切な解決策を見つけることが最も重要だった。 経度法では、海上での経度の決定についてのみ規定していた。17世紀以降、陸上で合理的に正確に経度を判断するのは、天文学的な「時計」として木星のガリレオ衛星を使用することによって可能になった。月は陸上で容易に観測できたが、船の甲板からそれを確実に観測しようとする多くの試みは失敗に終わった。経度を特定するためのその他の取り組みの詳細については、「経度の歴史」を参照のこと。 長く航海するためのより良い航法精度の必要性は、1714年にイギリスで経度法が可決されるまで、何世紀にもわたって多くのヨーロッパ諸国によって探求されてきた問題であった。ポルトガル、スペイン、オランダは、1598年という早い時期に経度の問題を解決するための金銭的なインセンティブを提供した。 経度の問題への対処は、主に3つのカテゴリに分類される。地上のものを使うもの、天体を使うもの、機械を使うものである。これには、詳細な地図、月の運行表、および海上での計時メカニズムが含まれていた。1714年の経度法と最大かつ最も有名な報酬である経度賞の提供の迅速な可決をもたらしたのは、科学的・技術的な好奇心ではなく、海洋探査で得られる経済的利益と政治的権力であると、学者は主張している。
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