報奨制度の成立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 02:42 UTC 版)
1700年代初頭には、1707年のシリー諸島での海軍艦隊の大破など、大規模で悲劇的な海上災害が多く発生した。その頃、数学者トーマス・アックスは、「真の経度」を見つけるための有望な研究に対して1000ポンドの賞を授与し、世界地図の修正に携わった学者に毎年金銭を支払うことを決めた。 1713年、ウィリアム・ホイストンとハンフリー・ディットン(英語版)の経度法案が国会の開会時に発表され、経度の問題を一般的に理解することにより、1714年7月8日に国会委員会が設立され経度法が速やかに可決された。この法律では、正確さのレベルに基づいた以下の3種類の報奨金が規定されている。これはアックスの賞と同じ精度要件であり、ホイストンとディットンが請願書に設定し、アイザック・ニュートンとエドモンド・ハレーによって議会委員会に推薦されたものである。 10,000ポンド(2015年で130万ポンド相当) - 1度(60海里 (110 km; 69 mi) )に相当)以下の精度で経度を決定できる方法に対して 15,000ポンド(2015年で196万ポンド相当) - 40分以下の精度で経度を決定できる方法に対して 20,000ポンド(2015年で261万ポンド相当) - 30分以下の精度で経度を決定できる方法に対して さらに、沿岸から80地理マイル以内(船舶が最も危険にさらされる場所)で機能する方法を発見した人、および、有望なアイデアを持っているが試験のために財政的支援を必要とする人に報奨金が与えられた。 提案された方法は、イギリスから西インド諸島の港まで航海し(約6週間)、その間、提案された方法によって上記の範囲内で経度を決定できるかによって試験される。また、候補者は、経度がすでに正確に分かっている特定の陸上地物の経度を決定することによって、彼らの方法の正確さを実証することを要求される。議会委員会は経度委員会も設立した。この審査委員会は、提案された解決策を検討し、賞金レベルの条件を完全には満たしていないがまだ奨励に値すると見込まれる有望なプロジェクトに対して最大2,000ポンドまでの前払いを付与する権限を与えられた。報奨金の要件の正確な条件は、後にジョン・ハリソンら何人かの受取人によって争われることとなった。ジョン・ハリソンは、最終的に合計23,065ポンドの支払いを受け取ったが、20,000ポンドはなかなか支払われなかった。経度委員会は100年以上存在し続けた。1828年に正式に解散され、合計で10万ポンドを超える額が支払われた。
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