報告距離と到達可能距離
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/28 07:41 UTC 版)
「EIGRP」の記事における「報告距離と到達可能距離」の解説
アドバタイズ距離 (AD) とは、送信先ネットワークへの経路に沿った複合メトリックであり、上流隣接ルーターによってアドバタイズされる。報告距離とも呼ばれ、サクセサである隣接ルーターを経由したときの送信先との最小距離と等しい。 到達可能距離 (FD) とは、あるルーターから特定の送信先への既知の最小の距離である。これはアドバタイズ距離 (AD) にそのADを送信した隣接ルーターまでのコストを加えた値である。なお、このメトリック情報は「その経路が最近アクティブからパッシブ状態になった時点」以降の最小距離である。すなわち経路がパッシブ状態であればFDは距離が減少する場合のみ更新され、さもなくば更新されない。一方、経路をアクティブ状態にする必要が生じた場合、経路がアクティブ状態からパッシブ状態になったときにFDが更新される。このときFDは増加することもある。アクティブ状態からパッシブ状態への変化を契機として、その経路の新たな履歴が開始される。 例えば、新たに発見された送信先 X への経路がアクティブからパッシブになり、距離が10だったとする。ルーターはADとFDを10とする。その後距離が10から8に減少したとする。パッシブ状態のままなので(距離の減少はフィージビリティコンディションには影響しないため)、ルーターはADとFDを8とする。さらにその後、距離が12に増加したが、サクセサとフィージブルサクセサはそのままだとする。その場合、ADは12に更新されるが、FDは8のままとなる。つまり、ADとFDが一致しなくなる。その後サクセサが障害状態になり、他のフィージブルサクセサが存在しないとする。するとその経路はアクティブ状態となり、ルーターは隣接ルーターに送信先 X の新たな経路を問い合わせる。新たに見つかった経路の距離が100だったとすると、ルーターは経路をパッシブ状態にした上でADとFDを100とする。
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