紛争解決のための調停・処分発表
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 08:55 UTC 版)
「校長着任拒否闘争」の記事における「紛争解決のための調停・処分発表」の解説
6月、福岡県副知事と高教組を代表した日本社会党県会議員と話し合いをおこなうことになるが、組合の意見を尊重せよと譲らず、調停不成立。7月9日午前10時、登校を試みた大川工業高等学校校長が正門で組合員に止められ、正門右の同窓会館に連行され、60名の組合員に取り囲まれ校長辞任を求められた。帰宅を申し出ても帰宅させてもらえず、校長が監禁されているとの知らせをうけたPTA会長が来校し、校長を帰宅させるように交渉するが拒否された。最終的には午後10時まで帰宅できなかった。 7月13日、教育委員会より処分が発表された。地方公務員法三十三条信用失墜行為、三十五条の職務専念義務違反、三十七条公務員の争議行為禁止違反が適用され、第二十九条(懲戒)一項に該当するとされた。21名を懲戒免職、29名を停職処分にした。これに対して、福岡県県議会本会議で社会党県議は校長着任拒否事件の責任は県教委にある、教育長も解任し自ら責任をとるようにと攻撃し紛糾した。 日教組は大量処分を発令した県教委のやり方をファッショ的行為で許されないと非難した。8月、福岡県知事による解決のための斡旋が行われ、知事代理を命じられた副知事と社会党県議団が斡旋案について話し合いをおこなった。高教組は人事権は県教委にあるが、その実施にあたっては高教組の意見は誠意をもって考慮することなどの斡旋案を受諾した。9月2日の始業式に校長らは一斉に登校する。校門前のピケ隊などはないが、高教組は校長に対し「無言闘争」をするように指令を出していた。朝の朝礼で挨拶ができたのは、戸畑工業高等学校と福岡中央高等学校のみで、北九州盲学校と久留米聾学校は始業式にも出席できなかった。 高教組は処分問題に対して、 県教委への処分撤回の具申書 県人事委員会への処分撤回の要請書 福岡地方裁判所への処分取り消しの判決の要請書 の3点の署名を校長へ強要した。また、行政処分取り消しを求める訴訟を県教委を被告として福岡地方裁判所に提訴した。10月8日には、日教組による一時間ストライキが指令され、長時間の交渉で倒れる校長も出た。実力行為を伴う闘争はその後、1986年(昭和61年)まで続くことになる。
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