紙・板紙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 21:36 UTC 版)
「紙リサイクル」および「古紙」も参照 回収した紙は古紙として再び紙の原料となりトイレットペーパー、段ボール、白板紙の原料となる場合が多いが、最近は新聞や雑誌を含む紙製品の多くに「この商品は再生紙を使用しています。」「R=○○」などと表記されている(R=古紙パルプ配合率)。 同じ紙であっても、品質が高いものから低いものにされる場合、厳密にはリサイクルではなくカスケード利用に分類される。牛乳パックはバージンパルプ(リサイクル素材を含まないパルプ)から作成されていて繊維の品質が高いものとして流通するが、回収された古紙はトイレットペーパーや板紙といったものに加工されており、有効に利用されることが多い。 用途に特化した紙が作られるようになるにつれ、感熱紙を始めとしてリサイクル上の問題となる禁忌品が増えており問題視されている。また、シュレッダーで処理された紙は、用途によってはパルプ繊維が切り刻まれているため再生には不利である。 日本の新聞紙の古紙回収率は100%を超えており、2019年試算で145.1%である。これは、全体で800万 - 1000万部、割合にして1割前後が消費者へ流通されることなく販売店からそのままリサイクルに回される。また、新聞に折り込んであるチラシも含まれるため、古紙回収が高い一因でもある。 段ボールは容器包装リサイクル法の除外であるが、古紙回収率は100%を超えており、2019年試算で111.7% であった。これは海外からの梱包による持ち込み分が日本のリサイクルルートに乗るからである。また、全体の古紙回収率は、2019年で約84.9%で、2019年の世界平均の回収率(約59.3%)を超えていた。そして、紙や段ボールなどに古紙が利用されている割合は、約67.2%であった。ラミネート等リサイクルが困難なものもあるが、徐々に段ボールにもリサイクルマークが浸透してきている。 グリーン購入法においては白色度と古紙配合率70%以上の規定がある。政府や自治体が調達する紙物品を100%再生紙と指定していることが多いが、紙は100%古紙で生産し続けることは不可能であり、用途によって配合率を決めることが望ましい。 再生する工程で必要以上に化石燃料を消費している再生紙はトータルとして決して地球環境にいい商品とはいえない。最近では紙を作るために熱帯雨林や天然林を伐採することなく、遊休牧地や荒廃地にユーカリやアカシアを植林したものをチップ輸入してパルプから作られた紙が大半を占める。このような管理された持続可能な森林から生産された木材チップを使用したバージンパルプから作られた紙についても、グリーン購入ネットワークでは「印刷・情報用紙」ガイドラインに明記している。 日本製紙は2007年4月、古紙100%配合紙を廃止し、古紙の配合率を下げた製品に切り替えると発表した。これは古紙100%配合するためには化石燃料をより多く使う必要があり、CO2削減の観点から望ましくないとしたものである。 中国などにおける需要増による古紙の高騰、脱色工程の手間と設備コストなどにより、バージンパルプ紙と同様に使用可能な高品質の再生紙の製造はメーカーにとって負担が大きいが、そうした事情が消費者に十分理解されているとは言い難く、販売価格に上乗せすることも容易ではない。また、2008年初頭には多くの大手製紙メーカーが再生紙の古紙配合率を偽装表示していたことが発覚し「リサイクルの優等生」と言われていた古紙リサイクルの構造的な問題が浮き彫りとなっている。
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