米国での評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 15:39 UTC 版)
「宇宙からのメッセージ」の記事における「米国での評価」の解説
アメリカの映画批評家は『宇宙からのメッセージ』を腐るほどある『スター・ウォーズ』のクローン映画の群れと一緒くたにした。アメリカで最も影響力のある批評家ロジャー・イーバートとジーン・シスケルのコンビは自分たちの番組で『宇宙からのメッセージ』を"The Dog of the Week(今週のダメ映画)"に選んだ。評論家からは酷評されたが『宇宙からのメッセージ』は、今もアメリカ人の記憶に残る映画といわれる。先述のキッズ・マチネーとは、当時週末の昼間に行われた子供向け映画二本立て興行で、『007 私を愛したスパイ』のボンドガールとして世界的に名を売ったキャロライン・マンロー主演『スタークラッシュ(英語版)』とのカップリングで全米の劇場で回り続け、『宇宙からのメッセージ』は、運悪くこれを観てしまったアメリカの子供たちの頭をブッ飛ばした。子供時代にこれを観たというパトリック・マシアスは、「子供の目から見ても、狂っていた。宇宙を飛ぶ帆船、ダボシャツにステテコの宇宙チンピラ、顔を銀色に塗った東洋人が演じるガバナス星人。それはSFというより麻薬のバッド・トリップのようだった。こいつは『スター・ウォーズ』よりスゲエ! そう思ったのは僕だけじゃない。同じ意見は今でもあちこちで目にする。何がスゴイのか、うまく言えないが『宇宙からのメッセージ』のいかがわしさ、ケバケバしさ、ムチャクチャさに比べると『スター・ウォーズ』は健全で、地味で、保守的にさえ見える」などと話している。今もケーブルテレビ局のストック作品として年中放映されており、2006年夏にはサンフランシスコのケーブル局「アクション・チャンネル」が朝、昼、晩と1日3回も放送した。『宇宙からのメッセージ』はアメリカ人にとって名作とは言えないが、忘れ難い作品であるという。パトリック・マシアスは、東映にリメイクないしは続編の製作を勧め、「オリジナルのスタッフ・キャストは物故者も多いが、監督には三池崇史を、ミッキー成田にはリッキー竹内を、デューク真田にはとっておきの役が浮かんでおり、シナリオを自分に書かせてもらえたら死んでもいい」などと話している。 2020年3月、アメリカの『ローリング・ストーン』誌が発表した「1970年代を代表する『SF映画』ランキング50」において、第44位に選出。お粗末な特撮、酷いセリフ回し、意味不明な物語にかかわらず、独創的な衣装や呂律の回らぬビック・モローなど、どこか惹かれる作品であると評した。さらに公開当初はニューヨーク・タイムズで酷評していた著名な映画記者、ジャネット・マスリンでさえ「深夜1時にチャンネルを回して偶然『宇宙からのメッセージ』に当たったら、荒唐無稽だと思いながらも、きっと躍動感を覚えるだろう」と作品の放つ一定の魅力を認めざるを得なかったことが紹介された。
※この「米国での評価」の解説は、「宇宙からのメッセージ」の解説の一部です。
「米国での評価」を含む「宇宙からのメッセージ」の記事については、「宇宙からのメッセージ」の概要を参照ください。
- 米国での評価のページへのリンク