米国での調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/11 02:07 UTC 版)
グラクソ・スミスクライン社は、アバンディアの県でFDAおよび米連邦議会の捜査を受けた。 まず2008年に副作用を理由としてアバンディアを販売中止するよう主張する報告書が提出された。報告書はアバンディアが1ヶ月に500件の心発作を引き起こしていた事とGSK職員がアバンディアを非難した医師を脅迫していた事を述べた。またGSKは心発作・脳梗塞リスクを知りながら宣伝活動を継続していたとも述べた。 上院財政委員会は調査委員会で、GSK職員が2000年以降、安全性の問題を軽視するようGSK社に提案していたと暴露した。委員会はさらに、アバンディアに有利な記事を医学雑誌に投稿するよう「ゴーストライトキャンペーン」を起こしていたとも主張した。 GSKはFDAの報告は瑕疵があるとして自分たちが持つデータでアバンディアが安全であると示して自身を擁護した。 2010年7月14日、2日間の広範な審査の末、FDAのアバンディア委員会の投票結果は12票が製品回収、10票が添付文書改定および販売制限の上販売継続、7票が添付文書改定の上販売継続、3票が現状通り販売継続というものであった。2010年7月20日、委員の1人がグラクソ・スミスクラインから資金提供を受けた代理人であり、議論の焦点を混乱させた事を明らかにした。この委員は現状維持票を投じた3人の内の1人であった。 2011年になってFDAはロシグリタゾンを含む全ての製品の添付文書および服用上の注意を改定することを決定した。これによりロシグリタゾン配合剤(アバンディア、アバメット、アバンダリル)に安全性情報と使用制限が追記された。改定後の表示ではロシグリタゾン配合剤は今後、血糖コントロールが不充分な患者で、医師が医学的な理由でピオグリタゾンまたはピオグリタゾン配合剤を使用できないと判断した場合にのみ使用できるとされた。 2013年7月にFDA委員会は、精査されたRECORD試験の結果を含む入手可能な全てのデータを再検討し、アバンディアが心血管リスクを上昇させる根拠はないと結論し、2013年11月、アバンディアの米国内での使用制限を撤廃した。FDAの指示により、製造販売者であるグラクソ・スミスクラインはDuke Clinical Research Instituteに臨床試験再解析のデータと資金を提供した。2010年の委員会で添付文書改訂が不要であると投票した3人の内2人が2013年の委員会にも出席し、添付文書改訂の上販売継続するよう投票した7人の内5人が出席したのに対し、アバンディアの使用制限をするよう投票した10人の内戻って来たのは4人であり、製品回収に投票した12人の内戻って来たのは3人のみであった。
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