簡易ベンチレーターが付いたコンテナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 15:41 UTC 版)
「海上コンテナ」の記事における「簡易ベンチレーターが付いたコンテナ」の解説
用途としては、ドライ・コンテナとほとんど変わりはないが、コンテナの側面上部の端に小さな縦長型の簡易通風孔が、複数個取り付けられたタイプのコンテナである。しかし、その能力はベンチレーター・コンテナと比べて非常に低いため、前項のドライ・コンテナ同様、輸送中の温度変化に対する充分な対策と、配慮が必要となる。また、通常型のドライ・コンテナとは構造区分コードにより、明確に区分されており、後記のベンチレーター・コンテナでも同様である。 なお、いずれのタイプにも共通して、簡易通風孔からの異物・密輸品等の投入防止の保安対策規定として、コンテナ製作時や修理時において、簡易通風孔の網目口径・網目の材質・強度および、取り付け加工方法などが別途、厳格に定められている。元々の通風孔本体は金属製だったために、流通過程で必ず受ける擦れや、接触による凹み等のダメージを受けると、その修理には板金で叩き直したり酷い時には、ガスバーナーで焼き切って、新たに溶接し直すなど手間や維持費の負担増はもちろん、見た目も継ぎはぎだらけと、デメリットが多く見た目も損ねるものであった。しかし、その後強化プラスチック製のはめ込み式通風孔ユニットが開発され、専用の加工用具さえあれば、溶接設備や板金等の技術なども必要なく、取り付け加工や、破損時の交換修理が比較的簡単に出来る。このため、近年の簡易通風タイプコンテナでは、標準的に幅広く使われている。本体の外周及び、本体上部の左右2箇所と、下部中央1箇所の取り付けねじは、密輸や異物投入等の不正防止のために内外ともに、特殊なコーキング剤で固められているので、コーキング剤を剥がす専用の溶剤や、専用の工具類が無いと、容易に取り外しが出来ないようになっている。 簡易通風孔付ドライコンテナは、通常片側面の上部左右いずれかの端付近に1箇所のみ単独で取り付けまたは、上部左右端付近の各1箇所(片側面合計2箇所)付が標準であるが、このハンブルク・スード社(ドイツ)コンテナのように各隅2箇所取り付けでワンセット(片側面合計4箇所)となっていて、簡易通風構造タイプのコンテナとしては比較的高性能の自然換気が出来ている。しかし、タイプコードは G1 と変わっていない。
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