第9次攻防戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 23:24 UTC 版)
金鐘五少将は、駱駝稜線などの中共軍に占領された前哨陣地を奪還して後患を除去することを決心して「作戦指示第72号」を下達した。 師団は予備隊をもって目標A(長松洞無名高地)、B(395高地北側1km)を攻撃し、これを確保して395高地付近に侵入してきた敵を完全殲滅する。 第30連隊長1個大隊兵力で目標A,Bを攻撃して敵を完全殲滅せよ。 1個大隊兵力をもって395高地に攻撃できるように準備せよ。また残り1個大隊兵力を攻撃梯隊の予備隊に控置せよ。 第51連隊長は1個中隊兵力で戦車と協同して、これらの射撃を援護せよ。 第1砲兵団長は火力の重点を第30連隊正面に置け。 第73戦車大隊長はA中隊に攻撃梯隊を支援させ、これらの進出によって射撃方向を左側に指向せよ。 工兵大隊長は戦車機動路上の地雷を除去して、これらを誘導せよ。 攻撃開始は11.08.30とする。 各隊は対空標識板の使用を徹底履行せよ。 — 作戰指示第72號 395高地北西の長松高地(無名高地)を目標A、駱駝稜線を目標Bとし、第30連隊は11日午前8時を期して1個大隊を投入して目標A、Bを奪取して一帯の中共軍を完全に撃滅することであった。 第9師団が新たな攻撃作戦を準備中に中共軍は第335団を再投入してきた。10日午後から前線が小康状態になると、第335団は密かに駱駝稜線に移動し、日没が近づいた午後6時を期して攻撃を開始した。395高地北斜面の第2大隊陣地で交戦が始まり、開始から45分で中共軍は陣地を突破し、第2大隊各中隊の兵力は無秩序に395高地南の渓谷に後退した。さらに第3大隊陣地でも戦闘が展開され、午後7時30分には、この両大隊の有線と無線の両方が途絶え状況把握が難しい状況に至り、それから戦闘は翌11日午前4時まで続いた。 戦況が変化したため、第9師団では「作戦指示第72号」の修正指示第1号を下達した。 第28連隊長隷下一部兵力(1個中隊)を245高地(第2大隊正面1.4km:中馬山北側)と396高地南側1.6kmに配置して08:00時から396高地に対して射撃を加え、第29、第30両連隊攻撃を欺瞞せよ。 隷下1個大隊兵力(第3大隊)で敵を反撃できるよう待機せよ。 陽動部隊は責任中隊長を指定せよ。 第30連隊長は攻撃梯隊を除く隷下2個大隊を待機させ反撃できるように準備し、同時に攻撃梯隊増員に万全を期せよ。 第53戦車中隊長は隷下2個小隊をもって指定された2か所を占領して396高地を砲撃せよ。 — 作戰指示第72號修正指示第1號 指示に基づき第29連隊と第30連隊は攻撃を開始し、第29連隊は午前12時4分に395高地を奪還して、続いて第30連隊が目標Aを占領した。しかし第30連隊では反撃を企図した中共軍によって12日まで激戦が繰り広げられた。
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