第二管区海上保安本部
(第2管区海上保安本部 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/12 00:29 UTC 版)
海上保安庁 |
---|
![]() |
海上保安庁本庁 |
地方機構 |
教育機関 |
その他 |
第二管区海上保安本部 | |
---|---|
第二管区海上保安本部、宮城海上保安部
(塩釜港湾合同庁舎) |
|
創設 | 1948年 5月1日 |
所属政体 | ![]() |
所属組織 | ![]() |
編制単位 | 管区海上保安本部 |
所在地 | 宮城県 塩竈市 |
担当地域 | 東北地方 太平洋 日本海 |
第二管区海上保安本部(だいにかんくかいじょうほあんほんぶ)は、主に東北地方の太平洋、ならびに青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県を管轄範囲とする、海上保安庁の管区海上保安本部の一つである。
略称は二管(二管本部と称呼することもある)、英語表記は2nd Regional Coast Guard Headquarters。本部は宮城県塩竈市貞山通にあり、下部組織として7つの海上保安部、3つの海上保安署、航空基地1カ所を有する。
特徴
管区内には、特定重要港湾かつ中核国際港湾の仙台塩釜港を初めとした重要港湾15港(八戸港・小名浜港・秋田港など)や地方港湾があり、また、特定第3種漁港4港(八戸漁港・気仙沼漁港・石巻漁港・塩釜漁港)や漁獲高の大きい女川漁港を初めとした392の漁港などがあって、多数の船舶が往来している。
世界三大漁場の三陸海岸沖を初めとして漁業の盛んな地域であるため、二管の活動の多くを漁船の安全操業のための監視活動、暴力団関係者や不法漁民による密漁の摘発が占めている。管区内は、濃霧が発生しやすく海難事故が多く発生する海域であることから、巡視船の他、フェリーや水産庁や各県の漁業取締船から広く情報を集め、速やかに海象情報を通報する体制を構築している。
また、女川原子力発電所や下北半島、福島県浜通り地方に点在する原子力関連施設や国際海峡である津軽海峡の警備業務、日本とアメリカ合衆国を結ぶ北米航路の中の広い範囲を占めていることから、第一管区海上保安本部や第三管区海上保安本部と協力したSAR協定に基づく沖合水域の海難救助業務も大きな仕事である。
二管関連年表
- 1948年5月1日:海上保安庁発足とともに塩釜海上保安本部として設置。管轄地域は東北地方および周辺海域。
- 1950年6月1日:第二管区海上保安本部に改編。
- 2007年(平成19年)4月1日:塩釜海上保安部を宮城海上保安部に改称。
- 2011年(平成23年)3月11日:東北地方太平洋沖地震によって発生した津波(東日本大震災)により、管内の太平洋側保安部等が浸水被害を受け、特に釜石海上保安部及び宮古・気仙沼・石巻保安署は壊滅的被害を受け基地機能を喪失、仙台航空基地も基地機能喪失に加え、多数の所属航空機が流出したうえ、宮城海上保安部所属の巡視船くりこまが津波で漂流し、松島湾内で座礁した。また、津波襲来を受け、第二管区本部及び歌津送信所では、周辺住民を避難誘導し、庁舎に収容する等職員が対応にあたった(海上保安庁広報資料から)。
- 2011年(平成23年)10月1日:仙台航空基地に機動救難士を配置。
組織
(酒田港湾合同庁舎)
- 第二管区海上保安本部長
- 次長
保有船艇・航空機
巡視船・巡視艇
所属 | 巡視船 | 巡視艇 | その他 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
PLH / PL | PM | PS | PC | CL | |||
宮城海上保安部 | ざおう(PLH05) | うみぎり(PC127) | しらはぎ(CL125) | 監視取締艇 ぺるせうす (SS70) |
|||
くりこま(PL64) | |||||||
まつしま(PL74) | |||||||
石巻海上保安署 | しまかぜ(CL59) | ||||||
気仙沼海上保安署 | ささかぜ(CL204) | ||||||
青森海上保安部 | おいらせ(PM23) | さわかぜ(CL103) | |||||
ひばかぜ(CL175) | |||||||
八戸海上保安部 | しもきた(PL06) | まべち(PM40) | むつかぜ(CL77) | ||||
むつぎく(CL75) | |||||||
釜石海上保安部 | きたかみ(PM56) | きじかぜ(CL72) | |||||
宮古海上保安署 | はつかぜ(CL73) | ||||||
秋田海上保安部 | でわ(PL42) | しんざん(PS20) | すぎかぜ(CL144) | ||||
酒田海上保安部 | 高速特殊警備船 つるぎ(PS201) |
べにばな(CL104) | |||||
福島海上保安部 | あぶくま(PM31) | てるかぜ(CL58) | 監視取締艇 すばる(SS33) |
||||
なつい(PM58) |
航空機
所属 | 通称(機型番号) | 機体記号 | 機種 |
---|---|---|---|
仙台航空基地 | はくたか1号(MA861) | JA861A | ビーチクラフト式B300型 |
はくたか2号(MA865) | JA865A | ||
はくたか3号(MA866) | JA866A | ||
あおばずく(MA871) | JA871A | ||
うみすずめ1号(MH965) | JA965A | アグスタAW139型 | |
うみすずめ2号(MH968) | JA968A | ||
宮城海上保安部(巡視船ざおう搭載機) | うみねこ(MH920) | JA920A | シコルスキーS76D |
海上保安学校 宮城分校訓練機 | おおるり1号(SH181) | JA181A | ベル式505型 |
おおるり2号(SH182) | JA182A | ||
おおるり3号(SH183) | JA183A | ||
おおるり4号(SH184) | JA184A |
主な灯台
灯台名 | 所在地 | 点灯年月日 | 光リ方 | 光の強さ | 光の届く距離 | 高さ | 管理事務所 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
鼠ケ関灯台 | 山形県鶴岡市 (弁天島) |
1925年4月1日 | 郡せん白光 毎10秒に2せん光 |
3,700cd | 約22km | 14m | 酒田海上保安部 |
酒田灯台 | 山形県酒田市 | 1958年4月1日 | 単せん白光 毎8秒に1せん光 |
120,000cd | 約33km | 30m | |
飛島灯台 | 山形県酒田市 (飛島) |
1948年6月28日 | 単せん白光 毎10秒に1せん光 |
120,000cd | 約37km | 16m | |
鵜ノ埼灯台 | 秋田県男鹿市 (鵜ノ埼) |
1894年10月25日 | 単せん白光 毎4秒に1せん光 |
4,100cd | 約22km | 19m | 秋田海上保安部 |
入道埼灯台 | 秋田県男鹿市 (入道埼) |
1898年11月8日 | 単せん白光 毎15秒に1せん光 |
530,000cd | 約37km | 28m | |
艫作埼灯台 | 青森県西津軽郡深浦町 (艫作埼) |
1941年9月15日 | 単せん白光 毎10秒に1せん光 |
770,000cd | 約40km | 24m | 青森海上保安部 |
龍飛埼灯台 | 青森県東津軽郡外ヶ浜町 (龍飛埼) |
1932年7月1日 | 群せん白光 毎20秒に2せん光 |
470,000cd | 約44km | 14m | |
青森港北防波堤西灯台 | 青森県青森港 (北防波堤西端) |
1961年11月15日 | 単せん緑光 毎3秒に1せん光 |
390cd | 約14km | 12m | |
大間埼灯台 | 青森県下北郡大間町 (弁天島) |
1921年11月1日 | 群せん白光 毎18秒に3せん光 |
3,700cd | 約22km | 25m | |
尻屋埼灯台 | 青森県下北郡東通村 (尻屋埼) |
1876年10月20日 | 単せん白光 毎10秒に1せん光 |
530,000cd | 約34km | 33m | 八戸海上保安部 |
鮫角灯台 | 青森県八戸市 (鮫角) |
1938年2月16日 | 単せん白光 毎8秒に1せん光 |
100,000cd | 約36km | 23m | |
階上灯台 | 青森県三戸郡階上町 (小舟渡) |
1959年10月5日 | 単せん白光 毎4秒に1せん光 |
390cd | 約14km | 11m | |
陸中黒埼灯台 | 岩手県下閉伊郡普代村 (黒埼) |
1952年7月1日 | 単せん白光 毎5秒に1せん光 |
93,000cd | 約36km | 12m | 釜石海上保安部 |
陸中弁天埼灯台 | 岩手県下閉伊郡田野畑村 (弁天埼) |
1965年12月14日 | 群せん白光 毎7秒に2せん光 |
390cd | 約14km | 10m | |
陸中真埼灯台 | 岩手県宮古市 (真埼) |
1959年1月20日 | 群せん白光 毎10秒に2せん光 |
390cd | 約14km | 9.1m | |
魹ケ埼灯台 | 岩手県宮古市 (魹ケ埼) |
1902年3月1日 | 単せん白光 毎15秒に1せん光 |
530,000cd | 約37km | 34m | |
大槌港灯台 | 岩手県上閉伊郡大槌町 (蓬莱島) |
1953年12月20日 | 単せん赤光 毎3秒に1せん光 |
78cd | 約9km | 11m | |
綾里埼灯台 | 岩手県大船渡市 (綾里埼) |
1938年2月1日 | 単せん白光 毎15秒に1せん光 |
3,700cd | 約22km | 19m | |
碁石埼灯台 | 岩手県大船渡市 (碁石埼) |
1958年1月10日 | 群せん白光 毎13秒に3せん光 |
78cd | 約9km | 10m | |
岩井埼灯台 | 宮城県気仙沼市 (岩井埼) |
1929年6月24日 | 群明暗白光 明6秒暗1秒明2秒暗1秒明2秒暗1秒 |
9,100cd | 約26km | 17m | 宮城海上保安部 |
大須埼灯台 | 宮城県石巻市 (大須埼) |
1949年9月7日 | 群せん白光 毎6秒に2せん光 |
3,700cd | 約22km | 12m | |
金華山灯台 | 宮城県石巻市 (金華山) |
1876年11月1日 | 単せん白赤互光 毎20秒に白1せん光、赤1せん光 |
白光:300,000cd 赤光:45,000cd |
白光:約37km 赤光:約32km |
13m | |
濤波岐埼灯台 | 宮城県石巻市 (網地島濤波岐埼) |
1966年11月14日 | 群せん白光 毎12秒に3せん光 |
3,700cd | 約22km | 9.9m | |
地蔵島灯台 | 宮城県宮城郡七ケ浜町 (地蔵島) |
1920年5月1日 | 単せん白光 毎4秒に1せん光 |
78cd | 約9km | 11m | |
花淵灯台 | 宮城県宮城郡七ケ浜町 (御殿山) |
1964年10月27日 | 群せん赤緑互光 毎20秒に赤1せん光緑1せん光 |
緑光:70,000cd 赤光:34,000cd |
緑光:約34km 赤光:約31km |
23m | |
仙台南防波堤灯台 | 宮城県仙台塩釜港仙台区 (南防波堤外端) |
1975年3月25日 | 群せん緑光 毎6秒に2せん光 |
78cd | 約9km | 14m | |
鵜ノ尾埼灯台 | 福島県相馬市 (鵜ノ尾埼) |
1953年2月10日 | 単せん白光 毎10秒に1せん光 |
160,000cd | 約32km | 15m | 福島海上保安部 |
小良ケ浜灯台 | 福島県双葉郡富岡町 | 1955年3月28日 | 100,000cd | 約32km | 12m | ||
塩屋埼灯台 | 福島県いわき市 (塩屋埼) |
1899年12月15日 | 単せん白光 毎15秒に1せん光 |
440,000cd | 約41km | 27m | |
番所灯台 | 福島県いわき市 | 1928年5月15日 | 43,000cd | 約22km | 11m |
ギャラリー
外部リンク
- 第二管区海上保安本部のページへのリンク