第1審公判
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鳥取地方裁判所(裁判員裁判) - 死刑判決 2012年9月25日、鳥取地裁にて裁判員裁判として公判が開始され、罪状認否で被告人・女Uは「私はやっていません」と強盗殺人2件を否認した。検察側は冒頭陳述において強盗殺人2件とも「女Uが事前に睡眠導入剤を入手、被害者を呼び出し、睡眠導入剤を飲ませたうえで殺害、事情を知らない同棲中の男Fを迎えに越させ現場を離れた」と主張。それに対し、弁護側は「被害者の生前最後の接触者は男Fで、睡眠導入剤を飲ませたのも男Fである」とし、強盗殺人2件とも「真犯人は男Fである」と無罪を主張した。 同年10月29日に予定されていた弁護側による被告人質問は女Uが黙秘権行使に転じ公判取り消しに、また翌10月30日の検察側・裁判所からの被告人質問にもUは黙秘権を行使し何も語らなかった。 同年11月5日、検察側は死刑を求刑。翌11月6日、弁護側は最終弁論で「男Fと鳥取県警が協力して女Uが犯人という虚構を作り上げた」と主張、また被告人最終意見陳述で女Uは「強盗殺人2件は、私はやっていません」と繰り返し、結審した。 同年12月4日に裁判所は、第4の事案に関し「女Uは、男Dへの270万円の債務弁済を逃れるため、男Dに睡眠導入剤を飲ませ、男Dの意識が朦朧としたところを現場海中に誘導し、入水・溺死させた」強盗殺人である、第5の事案に関し「女Uは、男Eへの53万円余の代金支払いを逃れるため、男Eに睡眠導入剤を飲ませ、男Eの意識が朦朧としたところを現場河川に誘導し、入水・溺死させた」強盗殺人であると各々認定し、「被害者からの債務返済の強い催促に困窮し、安易に殺害を決意・計画・実行する所業は甚だ冷酷・身勝手で悪質性が顕著。反省や謝罪の姿勢もなく、極刑も已む無し」として死刑判決を言い渡した。間接証拠のみにより事実認定を行った判決であったが、間接証拠による事実認定についての判断基準「合理的な疑義の余地が無い程度の立証が必要」(2007年最高裁決定)および新基準「間接証拠の中には、仮に被告人が犯人ではないと仮定すると事実関係が合理的に説明できない、といったものが含まれていることが必要」(2010年最高裁判決)に沿った判決となった。また、裁判員裁判として、裁判員選任から判決までの期間・75日間は過去2番目の長さであった(当時最長は首都圏連続不審死事件の100日間)。Uは判決を不服として即日控訴した。
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