第1射法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 06:08 UTC 版)
1941年8月に、安定器を備えた九一式魚雷改2の最初の10本のプロトタイプが航空母艦「赤城」の雷撃隊に供与され、極めて良好な結果を示したので、直ちに全雷撃隊は「第1射法」に切り替えた。脚とフラップを収納した状態で、より高速である 160 ノット (約 300 km/h)、高度 20 m で雷撃するようになった。 目標艦船の 800 m 手前で、速度 300 km/h, 高度 60 m で発射された魚雷は、3.5 秒後に速度 324 km/h で 290 m 先の水面に角度 22° で突入する。その後、水中を 500 m 駆走して、21秒後に目標に命中する。 目標艦船の 620 m 手前で、速度 300 km/h, 高度 10 m で発射された魚雷は、1.4 秒後に速度 304 km/h で 120 m 先の水面に角度 9.5° で突入する。その後、水中を 500 m 駆走して、21秒後に目標に命中する。 1942年5月8日朝の珊瑚海海戦において、第五航空戦隊の九七式艦上攻撃機隊は、アメリカ軍の防御陣を突破して、USS「レキシントン」(CV-2) と USS「ヨークタウン」(CV-5) に全速降下した。小型のヨークタウンには、飛行隊長の島崎少佐が率いる4機1隊が雷撃したが、4本の魚雷がすべて回避された。巨大なレキシントンには、航空母艦「瑞鶴」から1隊、「翔鶴」から2隊の合わせて3隊、14機の九七式艦上攻撃機が集中攻撃し、最後の2本が左舷に命中した。 これらの九七式艦上攻撃機は、従来の雷撃機ではできなかった最高速度 204 ノット (378 km/h) を超える全速で接近してきた。レキシントンの艦橋にいた F. C. シャーマン艦長は、魚雷を抱いたまま船の近くに撃墜された九七式艦上攻撃機を観察し、その尾部がなにか箱型のもので覆われているのを見た。彼はこれが高速度で雷撃できる理由だと報告した。
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