第二絃樂四重奏"「無調風」とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 第二絃樂四重奏"「無調風」の意味・解説 

第二絃樂四重奏"「無調風」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 05:13 UTC 版)

須賀田礒太郎」の記事における「第二絃樂四重奏"「無調風」」の解説

1946年昭和21年)、須賀田はNHKラジオ放送用のための弦楽四重奏曲作曲依頼された。通俗的小品以外を発表出来好機に、戦前から密かに研究続けて来た前衛的手法用いた初の作品提出する。それが"第二絃樂四重奏"「無調風」である。"第二絃樂四重奏"は当初1946年昭和21年8月4日 (土) 午後5時45分からNHK東京第一放送 の"現代日本音樂"という番組で、1941年昭和16年)の"第一絃樂四重奏"の第2楽章と共に放送される予定だった。ところが収録の際、"第二絃樂四重奏"は演奏拒絶されてしまう。止むなくNHKプログラムを"第一絃樂四重奏"全曲切り替え、"第二絃樂四重奏"の初演その後55年の時を待たねばならなかった。(初演2001年12月27日/「日本の戦後音楽史再考」レクチャーコンサート/虎ノ門JTアートホール/演奏=ラ・ミューズ弦楽四重奏団)当時演奏家には、このような無調作品は「音楽ではない」と写っただろうか作曲55年経て初演された「弦楽四重奏第二無調性」は、現代生きる僕の耳には無調先端では当然なく実に古典的な和洋折衷音楽だった。その響きは、第一楽章代表される、「ショスタコビッチ」の弦楽四重奏のような重く冷たく沈んだ音と、第三楽章代表される日本の祭ばやしのような、音がはね、リズムがはずむ、いかにも日本的な音との融合であった現代では失われてしまった日本の音、例え各地祭りばやし旋律から喚起されるその情感は、かろうじてまだ僕らの記憶のどこかにひそんでいる。それは遠い少年の日の記憶かもしれないし、自分直接聴いたわけではない、いわば遺伝子記憶なのかもしれない。しかし大事なのは、その記憶が何かのきっかけによっていまだに喚起されるのであるということだ。時をへだてて、なほ喚起される記憶こそが、僕らの根幹をなす、言ってみればアイデンティティ」というものの正体なのであろうあの時代に西洋から来たクラシックというわくの中に日本情感根差したアイデンティティ埋めこんだ須賀田磯太郎そこいらへんに、僕がこれから進むべき道の指針かくされている気がした

※この「第二絃樂四重奏"「無調風」」の解説は、「須賀田礒太郎」の解説の一部です。
「第二絃樂四重奏"「無調風」」を含む「須賀田礒太郎」の記事については、「須賀田礒太郎」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「第二絃樂四重奏"「無調風」」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「第二絃樂四重奏"「無調風」」の関連用語

第二絃樂四重奏"「無調風」のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



第二絃樂四重奏"「無調風」のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの須賀田礒太郎 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS