移動スーパーマーケット・移動コンビニ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 22:56 UTC 版)
「移動販売」の記事における「移動スーパーマーケット・移動コンビニ」の解説
高度経済成長の頃は、人口増加や都市の広域化に対しスーパーが足りていない地域への対応として重宝されていた。 同時期、大都市圏郊外ではベッドタウンや団地の造成が急激に進んだ。居住人口の激増に対して、既存の商店街やスーパーマーケット、百貨店などが需要を吸収できない事態が各地で発生するようになった。そこで産み出されたのか、移動スーパーである。マイクロバスや小型トラック、軽トラックを改造し、鮮度保持用のショーケースを並べ、多様な食品や雑貨を扱った。このため「移動スーパーマーケット」と呼ばれるようになった。 しかし1980年代~90年代に入ると、モータリゼーションの発展、郊外スーパーの進出、エリア内に店舗を併設した大規模住宅団地の開発増加、コンビニエンスストアの定着など店舗の充実により買い物に不自由しなくなり、移動スーパーの需要は薄れた。 ところが特に2000年代に入ると、いわゆる「買い物難民」問題の広域化から移動スーパー/コンビニが見直されることとなった。この頃は全国的に郊外大規模スーパーが飽和状態となった一方で、既に地方山村部等では少子高齢化・人口流出で過疎化が深刻化していた。結果過疎地域で細々と営業していた店舗が店主の高齢化などによって廃業したほか、公共交通網の消失、自らが高齢者になり自家用車を運転できなくなった等の交通の不便により近隣市町の大型スーパーや商店街に出掛けることが難しくなった。それどころか最悪の場合だと焼畑商業によってその地方都市ですら店舗・商店街の閉鎖や郊外化・シャッター街化が相次いでおり、大都市圏や県庁所在地を外れれば「いつ、誰が買い物難民に陥ってもおかしくない」状況になりつつある。 買い物難民対策として復活した移動スーパーは、地元で営業している個人商店やスーパーマーケット、生活協同組合のほか、大手コンビニチェーンも参入している。多くは巡回する日時を決めて、集落にある空き地や特定の民家の軒先に乗り付けて販売を行う。路線バスが減便・撤退したなど交通手段の限られた限界集落に住む高齢者にとって、今や商品の貴重な入手手段となっており、自治体が移動販売の導入を要請・支援するケースも多い。
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