福田理軒とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 人名 > 美術人名辞典 > 福田理軒の意味・解説 

福田理軒

読み方ふくだ りけん

数学家。通称八郎主計介、号は理軒・順天堂、名は泉。美濃の人。武田真元小出修繕師事する西洋数学普及尽力した著書に『算法全書』『規尺便覧』等がある。明治22年(1889)歿、75才。

福田理軒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/25 10:27 UTC 版)

福田理軒の肖像画

福田 理軒(ふくだ りけん、通称:理八郎主計介とも、初期の名前本橋 惟義1815年文化12年)5月 - 1889年明治22年))は、大坂出身の江戸時代末期から明治時代にかけての数学者子供は数学者の福田治軒(福田半とも)で、弟子には岩田清庸、松見文平らがいる。

丸山健夫の『筆算をひろめた男 幕末明治の算数物語』と言う本に生涯が描かれており、題名通り「日本に筆算を広めた人物」として知られる他、1834年には兄の復と共に大坂の和算塾であった順天堂塾(現:順天中学校・高等学校)の創立者としても知られる[1]

また、主な作品に1857年日本で最初に西洋数学について紹介した[2]『西算速知』や、1879年には日本で最初に数学史としてまとめ上げた書物[3]『算法玉手箱』、日本初の解析幾何学書である『代微積拾級訳解』がある。

は泉とも名乗り、は理軒、順天堂で、は理軒と同じく数学者の福田復(福田金塘とも)。主に測量天文などの技術弟子に教えた。

1877年には日本初の学会である東京数学会社の設立に参加した。

生涯

1815年5月に大阪の商屋に生まれ、兄の復と共に数学者の武田真元の元で数学暦術について学ぶものの、復が奉納した算額に書かれた証明を巡って真元と復が対立し、真元が復を邪道と糾弾して破門した。破門された復は理軒と激しく反発し、論争となったため、徳島藩出身の数学者である小出兼政(小出修喜とも)の元で学ぶようになる。

1842年には土御門家に仕え、大坂の南本町私塾を開き、弟子の岩田清庸らを指導した。

1854年頃より1867年頃までにかけて当時では最先端だった[4]測量書である『測量集成』を著す。

1857年には日本で最初に西洋の数学について紹介した『西算速知』を著した。

1871年明治維新後には東京に移住し、神田猿楽町に順天堂求合祉と呼ばれる和算塾を開いた。

1877年に東京数学会(現:日本数学会)の創立に貢献し、後に弟子の松見文平が順天堂求合祉を受け継ぎ、文平は順天中学校校長に就任する。

1878年から1879年にかけては算数の初歩から分かり易く説明し、1886年には文部省小学校指定教科書となった[3]『明治小学塵劫記』を著す。また、同年には日本で最初に数学史の本としてまとめ上げた書物である『算法玉手箱』を著した。

理軒はその後、大阪に戻ったが、帰阪した理由及び生活は不明である[2]

1889年、満74歳で没したといわれている[5]。命日は、『明治前日本数学史』では3月19日、『増修日本数学史』では5月19日、『大阪人物誌』では8月17日となっており、はっきりしない。墓所は文京区善心寺

その他の著書として『規尺便覧』、『順天堂算譜』が挙げられる。

脚注

  1. ^ 順天高校の学生が、「現代にタイムスリップしてきた理軒が高校生に数学を教える」というストーリーのドラマを制作中(2017年8月時点)である。丸山が理軒を演じている。福田理軒 業績をドラマに 江戸時代、筆算広めた算学者 著書出版の教授主演、順天高で制作/東京毎日新聞』朝刊2017年8月22日(東京面)
  2. ^ a b 彌永昌吉・中村誠太郎、三村征雄、湯川秀樹 『万有百科大事典 16 物理・数学』 相賀徹夫、小学館〈日本大百科全書〉(原著1976年4月20日)、初版(日本語)、474頁。
  3. ^ a b 福田理軒の著書 - 順天160年史、2012年9月26日閲覧。
  4. ^ 測量・地図おとなの話、2頁、2012年9月26日閲覧。
  5. ^ 丸山 2015, p. 227.

参考文献

関連項目

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「福田理軒」の関連用語

福田理軒のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



福田理軒のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
株式会社思文閣株式会社思文閣
Copyright(c)2025 SHIBUNKAKU Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの福田理軒 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS